イサラパープ  ถนนอิสรภาพ

バンコクで宿をとるときは、ラーチャテーウィー駅(สถานีราชเทวี)近くの宿を選ぶことがよくありました。

この地区を選ぶメリットはもちろん交通の利便性の良さにあります。

スワンナプーム空港利用の場合は、隣のパヤータイ駅(สถานีพญาไท)からエアポートレールリンクに乗れば30分ほどで空港に着きます。

ドンムアン空港利用の場合でも、BTS(高架鉄道)のスクンビット線で北方向に少し行けば、モーチット駅(สถานีหมอชิต)になり、そこからドンムアン空港までは、バスですぐ行けます。

ラーチャテーウィー駅近くのペッチャブリー通り(ถนนเพชรบุรี)を東方向に少し歩けば、パンティップ・プラザ プラトゥナーム(ศูนย์การค้าพันธุ์ทิพย์ ประตูน้ำ)、セントラルワールド(เซ็นทรัลเวิลด์)、スーパーのBig C (บิ๊กซี ซูเปอร์เซ็นเตอร์ ราชดำริ)などの商業施設が集中していて、そのいずれもが徒歩圏内です。

買い物重視派の旅行者にとっては、大きなメリットがあると思います。

しかし、当たり前に旅行をするのが面白くない天邪鬼的な性格な僕なので、今回は少し別のエリアに投宿することにしました。

そこで選んだのが、このイサラパープ地区でした。

王宮からチャオプラヤ川を渡って、ワット・アルン(暁の寺วัดอรุณราชวรารามราชวรมหาวิหาร)のある辺りと言えばイメージしやすいと思います。

通りの名前は「タノン・イサラパープ(ถนนอิสรภาพ)」で、MRT(地下鉄)の駅もあり、駅の名前は「イサラパープ駅(สถานีอิสรภาพ)」です。

イサラパープ(อิสรภาพ)の意味は、「自由(freedom)」です。

なかなかカッコイイ名前です。

昨年(2019年)にフワランポーン駅から、MRTが西側に延伸され、設置された駅のひとつで、ワット・ポーや王宮の最寄り駅である「サナームチャイ駅(สถานีสนามไชย)」の次の駅が、このイサラパープ駅になります。

ワット・ポー側からワット・アルン側には、渡し船で行くこともできますが、MRTが開通して以来、この地区により手軽に行けるようになったと思います。

ワット・ポー側と違ってどちらかと言えば落ち着いた雰囲気があり、観光客ズレした印象はほとんどありません。

バイクとクルマの騒音が激しいペッチャブリー通りと違って、静かな雰囲気が心地良く感じます。

飲食店に入っても、英語表記のメニューは少なく、庶民的な雰囲気が感じられます。

派手な商業施設はなく、地元民が日常立ち寄るような零細の商店が目立ちます。

バンコク市内で、静かで落ち着いた感じの下町に出会った感じです。

「対岸」という言い方があります。

「川の向こう側」。要するに、話し手からみた「あちら側」という、やや距離感を置いた表現です。

こちらがメジャーで、あちら側はマイナーというある種の意識を感じます。

ここイサラパープ地区は、バンコクでは「対岸」地区になるわけです。

ワット・ポーや王宮にあるような華やかさには欠けるかもしれません。

この地区を訪れる旅行者もまだ限られているのかもしれません。

しかしそれが、かえって自分の感性に合っているようです。

ガイドブックには出ていないような地区にも、足を運んでみたいと思います。

庶民の暮らしぶりを垣間見ることができれば、それが新たな発見になるかもしれません。

自分だけのオリジナルな発見を求めていきたいと思うのです。


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短期旅行者のための格安タイSIMカード

現代人にとって、いまやスマートフォンはなくてはならない存在と言えるのかもしれません。

かつての旅行では、紙の地図と小型のコンパス(方位磁針)を頼りに街を歩いたものですが、最近ではもっぱらスマートフォンでグーグルマップなどのナビゲーションを頼りに街を歩いているかたが多いのではないでしょうか。

お恥ずかしい話ですが、僕が以前やってしまった失敗があります。

以前タイに旅行した時に、タイ現地のSIMカードを購入しなかったのです。

何か調べものがあったら、ホテルや飲食店のWi-Fiを使えばいいだろう、と高を括っていたのです。

クラビー県のランタ島でレンタカーを借りてドライブに出たのですが、自分の泊っているホテルに戻れなくなってしまったのです。

タイの道路は、メインストリートである「タノン(ถนน)」の両脇に、数多くの「ソイ(ซอย)」が伸びています。

その形は、あたかも魚の骨のようです。

背骨に当たる大きな道路から直角に細い小路が無数に伸びていて、その小路同士は交わることがなく、ことごとく行き止まりになっているのです。

そして、自分の泊っているホテルのあるソイの入り口がわからくなってしまったのです。

「確かこの辺りだったはず…」と言いながら、道路を行ったり来たりしていました。

ソイから出てタノン(大通り)に出るときに、そのT字路の様子を覚えておけばよかったのですが…

残念なことに、そのとき借りたレンタカーにはカーナビがついていませんでした。

(仮にあったとしても使い方がわかるのかどうかは不明ですが)

こんな時に、心強い味方になってくれるのが、やはりスマートフォンなのです。

スマホ依存症になっている自分が情けない限りですが、やはりそこは見ず知らずの旅先のこと。

スマートフォンがあるのとないのでは受けるストレスが全く違ってくるのではないでしょうか。

 

さて今回は、短期の旅行者でも使える格安のタイSIMカードをご紹介します。

空港内には、タイ現地の通信会社の旅行者用SIMカードを販売する店舗が多数あり、そこには外国人旅行者の行列ができています。

ここで頼めば、従業員がカードの挿入と初期設定を簡単にやってくれます。

通信会社はメジャーなところとしてはAIS社やTRUE MOVE社などがありますが、どの通信会社も価格は1週間程度のもので299バーツでした。

普段使っているスマートフォンとパスポートを差し出せば、5分ほどで完了です。

普通の旅行者なら、こうした方法でタイ現地のSIMカードを購入すると思いますが、これよりもさらに格安の方法があります。

事前に日本国内で、タイのSIMカードを購入するのです。

Amazon やYahooショッピングなどの通販で買うことができるのです。

僕が今回使ったのが、「TRUE MOVE タイ プリペイドSIM 8日間データ通信無制限 100分無料通話付」という商品で、カードは1枚当たり450円と格安です。

2枚まとめて買えば、さらにお得になります。

タイで8日間3Gデータ通信が使い放題で利用できるプリペイドSIMカードです。

仮に8日以内にデータ通信量が3GBを超えると速度制限がかかりますが、遅くなった通信速度でもLINE等のSNSやメールなどは使用可能です。

また、100バーツ分(タイ国内通話約100分、もしくは日本携帯への国際発信約20分)の通話付きなので、グループで旅行する人たちにとっても使いやすいと思います。

空港内の長い行列に並ばなくてよいのも助かります。

SIMカードの挿入と初期設定は自分ですることになりますが、意外と簡単にできます。

これが事前に購入したSIMカードになります。

サイズは標準、micro、nanoの3サイズ対応です。

パッケージに貼付された番号が、附番された電話番号になります。

SIMカード挿入の際には、ピンが必要になりますので、ご準備をお願いいたします。

またカードの挿入は、タイ入国後に行うようにしてください。

入国前に日本で挿入した場合、開通してしまう可能性があります。

なお日本で使っているSIMカードは、帰国後に戻すことになりますので、紛失なさらないようご注意願います。

初期設定の方法は、カードを買ったときに、日本語の説明書がついていますが、念のため記しておきます。

Android端末のAPN設定手順

①ホーム画面から「設定」をタップします。

②「データ通信量の管理」→「モバイルネットワーク設定」を選択します。

③「アクセスポイント名」をタップします。

④「メニュー」→「新しいAPN」を選択します。

⑤アクセスポイントの編集(APNの項目)で、下記の項目を入力します。

「名前」→ internet

「APN」→ internet

「ユーザー名」→ true

「パスワード」→ true

「認証方式」→ CHAP

⑥入力が済みましたら、「メニュー」→「保存」をタップします。

⑦「APN」画面で、入力した「internet」を選んでタップすれば設定完了です。

 

iPhone端末のAPN設定手順

①ホーム画面から「設定」をタップします。

②「モバイルデータ通信」をタップします。

③「モバイルデータ通信」をONにスライドします。

あとは自動的に設定が完了します。

 

いかがでしたか。

短期旅行者でもタイ現地のSIMカードが使えれば、ストレスフリーであること間違いなしです。

ぜひお試しください。

なお、ここで紹介した現地SIMカードの使用は、SIMフリーのスマートフォンをお使いいただいているユーザーが対象になります。

SIMフリーでないスマートフォンをお使いのかたは、別途SIMフリーのスマートフォンをご用意いただくか、SIMロック解除の手続きが必要です。

 


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LCCで行くタイ(2019年12月改)

かつての昭和の時代であれば、航空機に乗って旅行に出かけることが、ステータスの高い感もあったのでしょうが、その後平成の時代になってグループディスカウントを中心とした格安航空券が普及したことは以前に書いたところです。

それから時代はさらに進み、低価格を前面に打ち出したLCC(ローコストキャリア)が設立され、手軽に旅行できる環境が整ってきました。

発券業務や機内サービスなどを簡略化するなどのコスト削減によって、その価格設定が実現できたのでしょう。

旅慣れている人にとっては、過剰なサービスは必要ではないと思います。

東南アジアでは、早くからLCCが設立されてきていますが、こうした新しい航空会社が、日本へ乗り入れる路線を増やしています。

昨年11月に「格安航空券で行くタイ(https://ponce07.com/discount-air-ticket/)」と題して、こうした状況に触れたところですが、その後状況が大きく変わってきましたので、現在の状況について、改めて記しておきたいと思います。

現在タイから日本への直行便を運航しているLCCは、ドンムアン空港発着の会社では、タイ・エアアジア X(成田・関西・中部・新千歳・福岡)、タイ・ライオン・エア(成田・関西・中部・福岡)、ノックスクート(成田・関西・新千歳)、スクート(成田・関西)があります。

スワンナプーム空港発着の会社では、ピーチ・アビエーション(那覇)があります。

また先日、日系の新会社が参入するというニュースが報道されました。

日本航空が成田空港を拠点とした新たなLCCを設立するというニュースです。

会社名は「ZIPAIR」で、来年2020年夏に成田~バンコク(スワンナプーム)を就航させる予定とのことです。

このようにして見ると、海外旅行への敷居がずいぶん下がったと感じることでしょう。

海外旅行が高額だった時代はすでに過去のもので、スマホひとつで気軽に予約して、気軽に旅立てる時代になりつつあります。

さて、実際のLCCの予約についても、触れておきましょう。

何度も使ったことのある旅慣れている人にとっては、退屈でしょうから、このくだりは読み飛ばしてもらってかまいません。

各々のLCCの会社のHPからの予約も可能ですが、スケジュールの関係で、往路と復路が同じ航空会社になるとは限りません。

こういう時は、航空券の検索サイトが便利です。

「海外格安航空券」で検索すると、エクスペディア、スカイスキャナー、スカイチケットといった検索サイトです。

出発地と到着地、片道か往復か、往路と復路のスケジュール、直行便希望か乗継便でもOKかなどの項目にチェックを入れると、その条件で検索してくれます。

予約後に、クレジットカード決済の手続きを続けてすることで、発券は完了です。

紙の航空券はありません。

予約時のメールアドレスに旅程と領収金額の記載のあるEチケットが送られてきます。

これを印刷しておいて、当日持参することになります。

なお、LCCの場合は、受託手荷物は有料になります。

チェックインのときに追加で依頼することもできますが、空港で支払う受託手荷物料金は割高になりますので、受託手荷物がある場合は、航空券を購入される際に併せて事前予約と購入することをお勧めします。

機内持ち込み手荷物の制限はかなり厳しいです。

タイ・ライオン・エアの場合、大きさは20㎝×30㎝×40㎝で、重量は7kg以内となっていて、これを超えると、高額の追加料金を求められるので注意が必要です。

座席の指定を希望する場合や機内食を希望する場合も、事前に各航空会社に予約しておく必要があります。

航空券のご予約また各種の条件については、航空会社発表の最新の情報でお願いいたします。

それでは、よき旅を!

 


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初心者必見! 日本にいながらできるタイ国鉄のネット予約法 その2

タイ国鉄の会員登録手続きはお済でしょうか?
次は乗車券の予約と購入の手続きについてご説明いたします。

STEP1 行き先と乗車日を設定します
ログインして、トップページを表示します。
下記の画面になります。

画面右上にはあなたの名前が表示されているはずです。
行き先を選択します。
「北線(チェンマイ方面)」「南線(スガイコーロク方面)」「東北線(ノーンカーイ方面)」の3路線の中から選ぶことになります。
予約できるのは特急(SPECIAL EXPRESS)、急行(RAPID)など優等列車に限ります。
それ以外の路線は予約ができません。
当日駅の窓口で乗車券を購入することになります。
一例として、バンコクから南部のスラータニーまでの急行列車を大人2人で予約・購入することとします。

トップページの「Inquiry」直下にある路線名で「Southern」にチェックを入れます。
Origin(起点)は「BANGKOK」
Destination(目的地)は「SURAT THANI」を選択します。
Departure Date(出発日)は「日」「月」「西暦年」の順に選択します。
なお予約開始は、出発の60日前から2時間前までとなっています。
(ここでの事例は2020年1月3日出発としています。)
また大人2人なので「Adult(大人)」 で「2」を選択します
ここまで入力したら、青いボタン「Search」をクリックします。

STEP2 希望の列車を選択します
Departure Timeは出発時刻
Arrival Timeは到着時刻
Train TypeのSPECIAL EXPRESSは特急、EXPRESSは急行、RAPID快速列車となります。
右のSelectボタンが緑色の列車が「空席」、灰色の列車は「満席」または「予約不可」となります。

希望の時間と、列車の種別から選んでいきます。
今回は、19:30発の急行列車(列車番号85)を選ぶこととします。

STEP3 車両の種類とグレードを選択します
列車には各種の座席があります。
1等や2等、エアコンの有無、寝台か座席など自分の好きな種類とグレードを選択することができます。
Classというのが等級です。
Class1が1等、Class2が2等ということになります。
エアコン付きの座席はAir Conditionの欄に●がついています。
Coach Typeというのが座席の種類で、Berthというのが寝台、Seatが座席を意味しています。
寝台は上段(Upper)と下段(Lower)があり、料金が異なります。
下段の方が少し広いので料金は若干高くなっています。
Fareは運賃・料金の意味です。
単位はタイバーツ(THB)での表示です。

STEP4 搭乗者の名前を入力します
実際に乗る人の「性別」「名前」と「パスポート番号」を入力します。
1行目は、予約者(ログインした人)が既に入力されています。
2行目以降に、同行者の情報を入力していきます。
パスポート記載の「性別」「名前」「パスポート番号」を正確に入力してください。

STEP5 座席を指定します
Manual Seat Selection(手動選択)は自分で好きな席を選べますので、こちらをクリックします。
茶色にマークされているところが空席です。
灰色はすでに予約済の席となります。

今回は2人の予約で、上下セットのほうが良かったので、連番で選択することとします。
選択すると、ヒト型の青いピンマークがつきます。

そして、画面上方の乗客者名の欄に選択した座席番号と、その運賃・料金及び予約手数料が表示されます。
予約手数料は1人あたりにつき30バーツになります。

問題がなければ、「Payment」をクリックして、購入手続きに移ります。

STEP6 支払い方法の設定と決済

これは支払い方法の設定画面です。
まずは自分の予約情報が正しいか、
画面で再度確認しましょう。
画面左側に出発駅と到着駅、出発日時、人員、列車番号等が表示されます。
画面中央から右側にかけて、乗客氏名と座席番号、その運賃・料金及び予約手数料が表示されます。
最下段に支払総額が表示されますので、確認しましょう。
問題ないようでしたら、支払い方法を指定します。
クレジットカードは「VISA」「MASTER」「JCB」に対応しています。
デビットカードは、タイの銀行発行のもののみです。
希望する支払い方法を選択したら、「Confirm Payment」ボタンをクリックします。
「Confirm Payment」ボタンをクリックすると、決済画面に移ります。

画面左下の「VISA」「MASTER」「JCB」を選びます。
この画面が出てから10分以内に決済完了しなくてはいけません。

後は、カード番号や有効期限(月と西暦年)やセキュリティコードなどの情報を入力して、決済処理を完結させます。
入力が済みましたら「Submit」ボタンをクリックします。
確認画面が出てきますので、OKボタンをクリックします。

【本人認証とパスワードのイメージ】
次に本人認証のパスワードを入力する画面が出てきますので、入力ののち送信ボタンをクリックすれば完了です。
決済完了の画面は念のため印刷しておくようにしましょう。

STEP7 チケットの確認と印刷
決済まで完了すると、メールが送信されてきます。
チケット来歴(Ticket History)欄を見れば、予約内容が確認できます。

いちばん右側にある「Ticket」をクリックすれば、乗車券がPDFで表示されますので、ここで印刷しておきます。
この乗車券のPDFはEメールでも送られてきます。
しかし、当日は紙に印刷したチケットが必要です。
スマホの画面を見せるだけでは乗車できません。
忘れずに印刷して、乗車当日は必ず持っていきましょう。

これがタイ国鉄の乗車券になります。

以上がタイ国鉄オンラインサービス『e-TSRT』の予約手順になります。
タイの夜行列車には、飛行機やバス移動では味わえない「旅情」というものがあります。
旅行の際には、ぜひ一度は乗車してみてください。


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初心者必見! 日本にいながらできるタイ国鉄のネット予約法 その1

鉄道ならではの独特な雰囲気が好きで、以前からタイを鉄道で旅したいと思っていました。
LCCや高速バスに押されて、いま一つの感のある鉄道旅ですが、夜行列車には、飛行機やバス移動では味わえない「旅情」というものがあります。
そんな旅行者に朗報です。
タイ国鉄が列車の乗車券を購入できるオンラインサービス『e-TSRT』を始めました。
『e-TSRT』 https://www.thairailwayticket.com/eTSRT/

タイ国鉄が運行する路線のうち、現在で予約できるのは北本線(チェンマイ方面)、南本線(スガイコーロク方面)、東北本線(ノーンカーイ方面)の3路線です。
予約できるのは特急(SPECIAL EXPRESS)、急行(RAPID)などの一部に限ります。
各駅停車など座席指定をしない列車は、当日駅で切符を買うことになります。
なお予約開始は、出発の60日前からとなっています。
人気路線や繁忙期は一か月以上前に予約が埋まっていることもあります。
タイの列車は本数・座席とも、日本ほど多くありません。
事前に予約しておかないと乗車するのは難しいと思います。
その意味でもこのオンラインサービス『e-TSRT』は、旅行者にとってありがたいサービスと言えます。

会員登録の手続きを行った後に、行き先や座席を指定します。
支払いはクレジットカードで行います。
購入後、乗車券がPDFで送られてきます。
乗車する際には、これをプリントアウトして提示します。
(スマホ画面での表示は受け付けできないとのことですので、必ずプリントアウトしたものを持って行ってください。)

ではさっそくネット予約の具体的な方法に移りたいと思います。
まず会員登録と乗車券予約の手続きの前に、以下のものをご準備ください。
①パスポート
会員登録の際にパスポート番号を入力する必要があります。
同行する人がいる場合は、その方のパスポート番号も予約時に必要になりますのでご準備願います。
②タイの携帯電話番号
会員登録の際にタイ国内での電話番号を入力する必要があります。
タイ国内で使える旅行者用の プリペイド SIM(無料通話付き)は、日本のAmazon やYahooショッピングなどの通販で買うことができます。
このプリペイド SIMを買うことで、タイ入国前にタイ国内での携帯電話番号を事前に取得することができるのです。
③クレジットカード
乗車券の予約を済ませたら、直ちに購入手続きに移ります。
決済はクレジットカードまたはタイの銀行のデビットカードになります。
タイの銀行のデビットカードを持っている人は少ないと思います。
でも、普段日本国内で使っているクレジットカードがあれば大丈夫です。

まずはタイ国鉄のネット予約用ページにアクセスしましょう。
https://www.thairailwayticket.com/eTSRT/
タイ国鉄の公式サイトであることを確認してください。

チケットの予約の前に、まずはタイ国鉄の会員登録をしておく必要があります。
トップページの右上にあるSign Upをクリックして登録画面へ進みます。
言語は英語かタイ語になります。
右上の国旗のマークの「イギリス」をクリックすれば、英語に切り替わります。
入力の仕方は以下のとおりになります。
Member Information 会員情報

Title →性別「Mr.」「Mrs.」「Ms.」のいずれかを選びます。
First Name →「名」浦島太郎さんなら「Taro」と入力します。
Last Name →「姓」浦島太郎さんなら「Urashima」と入力します。
綴りはいずれもパスポート記載の通りとします。
Your Country →国籍 日本であれば「Japan」を選択します。 
Passport ID →パスポート番号を入力します。
Address →「市」より後の部分になります。 久里浜2-22なら「2-22Kurihama」
City →市名を入れます。横須賀市なら「Yokosuka-city」
State/Province →県名を入れます。「Kanagawa」
Zip Code →郵便番号を入れます。
Gender →「Male(男性)」「Female(女性)」のいずれかにチェックを入れます。
Birth Date →生年月日を入れます。ただし「日」「月」「西暦年」の順になります。
Mobile →+66以下にタイ国内での携帯電話番号を入力します。 
先ほど書きましたが、予めプリペイド SIMを買うことで、タイ入国前にタイ国内での携帯電話番号を事前に取得することができます。
購入時のパッケージに記載の「タイ国内の携帯電話」を入力します。
Tel →日本での電話番号を入力しておきます。

次にログイン情報を記載します。
Login Information ログイン情報

E-mail →メールアドレスを入力します。
予約・購入後、乗車券が送られてきますので、正確に入力してください。
Re E-mail →上記と同様のアドレスを再度入力します。
Password →パスワードを決めて入力します。
アルファベットまたは数字を含む長さが6文字以上で入力します。
Re-enter Password →もう一度バスワードを入力します
You understand reservation rule. (予約ルールを理解しました。)→チェックを入れます。
You accept term and condition to agreement. (契約の条件に同意します。)→チェックを入れます。
最後に「OK」を押して完了です。

初心者必見! 日本にいながらできるタイ国鉄のネット予約法 その2
https://ponce07.com/thairailwayticket-etsrt-2/


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素晴らしいトイレ その2

日本にも、サービスのいいトイレは数多くありますが、クンミンで見たような人的なサービスはありません。
日本のトイレの良さは、設備の良さと清潔さにあります。
美しいトイレは、意外にも近所にありました。
佐賀県の有田市にありました。
佐賀県立九州陶磁文化館にあったバリアフリーのトイレです。

写真を見てお分かりいただけますが、便器や洗面台、くずかごに至るまでのすべてが、有田焼仕様になっています。
細かいところでは、洗面台の排水口のキャップや、照明のスイッチ部分のパネルもしっかり有田焼で飾られているのです。

内側にも模様が…

豪華な洗面台

こんなところにまで…

その一つ一つには、精緻な模様が描かれています。
あまりの美しさに、いつまでも眺めていました。
これでは、実際に使う気がしません(笑)。

有田焼は、佐賀県有田町を中心に焼かれる磁器のことです。
はじめは、その積み出しが伊万里港からなされていたので、「伊万里(いまり)」とも呼ばれていました。
豊臣秀吉が朝鮮に出兵したときは、多くの朝鮮人の陶工が捕えられて、日本に渡ってきました。
有田焼の生みの親と言われている李参平も、そのひとりでした。
肥前の鍋島氏に捕らえられ、日本にやってきたのです。
そして有田の泉山で陶石を発見して、日本で初めて磁器を焼くことになったのです。
その後も、この有田の地で改良が重ねられ、世界的に優れた陶磁器が量産されることになったのです。
日本では、優れた技術を持った職人は高く評価されます。
江戸時代になって、朝鮮との戦が終わったあとも、多くの朝鮮人の陶工が祖国に帰ることをせず、この地に定着することを選んだのは、こうした職人が高い評価を受けることのできる風潮がもたらしたものと考えられます。
有田町では、李参平は「陶祖」として尊敬されて、これを祭った陶山神社(すえやまじんじゃ)という神社もあるほどなのです。
現在も直系の子孫が作陶活動などを行い、14代まで続いていると言います。
たとえ異国から連れてこられたよそ者でも、優れた技術を持った職人は、高い称賛を受ける。
この考えはとても重要なことであり、これからも大切にしてければならないと思います。

泉山 有田焼発祥の地

●佐賀県立九州陶磁文化館
所在地:佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100-1
JR有田駅から徒歩約12分。自動車・タクシーで約4分。
https://saga-museum.jp/ceramic/

素晴らしいトイレ その1

外国に旅行に出たときに困るのは使い勝手の良いトイレを探すこと。
この件については、これまでもこのブログで書いたことがあります。
では、僕が今までに利用させていただいたトイレで最も素晴らしいのは、中国のクンミン(昆明)にあったあるホテルのトイレでした。
バックパッカー連中の話題は、トイレのネタが多く、どこのトイレが良いのか悪いのか、そんな話題が多かったのを思い出します。
そのなかでも中国のトイレの評判ははなはだ芳しくないものでした。
昔の中国の公衆トイレは使いにくいものも多くありました。
いまでこそ綺麗で使いやすいものも増えましたが、かつてはそうではありませんでした。
ターミナル駅など多くの人の集まるトイレでも壁が極端に低かったり、個室の戸がないものもあったりして、それは前時代的と言ってもいいものも多かったのです。
しかし、最も素晴らしいトイレは、その中国にあったのです。
公衆トイレは使いにくいものが多かったので、通りすがりに立ち寄った(というより勝手に利用させてもらったといったほうがいいのかもしれませんが)、たまたま入ったホテルのトイレでした。
まず入って感じたのは見た目が「とにかく綺麗!」という点でした。
洗面台や便器などの器具はマーブル調であり、よく磨かれています。
蛇口や配管部分などの金属管は真鍮で出来ていて、これが輝きを放っていて、自分の顔が映るほど磨かれていました。
専属のボーイがいて、この彼が常に掃除をしているようでした。
洗面台で手を洗うと、温かいお湯が出てきます。
中国では、まずお目にかかれません。
こちらが終わるのを見計らったように、そのボーイは僕の前に立っています。
そしてバスケットに入ったペーパータオルを渡してくれるのでした。
もちろん素手で手渡すのではなく、専用のトングを使ってこちらに渡します。
こういうサービスはそれまで受けたことはありません。
あっけにとられていると、ボーイの姿を見失います。
はたしてボーイはどこに…
足元にしゃがんでいました。
そして、僕の革靴を磨いていたのです。
お見事!というしかありませんね。
さすがにこのときは、チップをはずんだのを思い出します。
後で聞いたところ、そのホテルは中国の現地資本のホテルではなく、外資系のホテルとのことです。
それもタイ資本のホテルとのことでした。
あのような人的なサービスはやっぱりタイ式なのでしょう。
漢族は、そういった濃厚な人的サービスは好まないようです。
クンミン(昆明)と聞いても、東南アジアのタイとはイメージが結びつかないかたも多いと思います。
しかし、クンミンは雲南省の都であり、その雲南省は中国国内では、かなり西に位置していて、ミャンマーやラオスに隣接しています。
雲南省の南部には、シーサンパンナ(西双版納)という、タイ族自治州もあります。
タイから距離は意外と近く、タイの領事館もあります。

その後も、各地を旅行して、各地のホテルを利用しました
なかには五つ星クラスのホテルもありました。
しかし、あれほどの完璧なサービスに巡り合ったことはありません。

https://ponce07.com/great-toilet-2/

軌間 その4 改軌そして東南アジアの鉄道網

改軌とは、異なる軌間を変更すること言う。
工事の方法は、一般的には既にある2本あるレールにもう1本改軌後のレールを敷いて、その後不要の1本を撤去する方法である。
工事期間中も列車の運行は続いているので、このような手法が取られることになる。
とはいえこの改軌工事は、相当な労力と時間を伴うことは想像に難くない。
この難工事をいまからおよそ100年前に敢行した国がある。
それがタイ王国である。

タイの鉄道は1890年代に始まった。
最初の路線は1893年に開通したバンコク市内からのパークナムまでの民間鉄道であるパークナム鉄道であった。(現在は廃線)。
その後1897年3月にバンコク-アユタヤ間が開通し、これが国鉄最初の路線となった。
その起点となった駅が現在のフワランポーン駅 (สถานีรถไฟกรุงเทพ・バンコク中央駅)である。
その当時採用された軌間が標準軌(1,435 mm)だった。
フワランポーン駅を起点とする北線・東北線は、この標準軌によって敷設された。
ところが南部では標準軌ではなく、狭軌が使われていた。
メーターゲージと呼ばれた1,000ミリ幅の狭軌が使われたのである。
このメーターゲージは東南アジア諸国に特有のもので、他にベトナムやカンボジアといった北部仏印でも採用されていた。(そのため通称 “インドシナ標準軌”とも呼ばれる)
英国領のマレー半島にも鉄道が敷設されたが、この時に使われたのがメーターゲージだった。
諸説あるものの、建設コストの面からあるいはマレー半島への接続を意図したのか、南線はメーターゲージが採用された。
このようにして初期のタイの鉄道は標準軌と狭軌(メーターゲージ)の二つの軌間が並立することになった。
路線の拡大に伴って、この二つの軌間の並立を危惧する意見が出るようになる。
また南線のバンコクの起点がトンブリー地区のバンコクノイ駅で、この駅はいまのフワランポーン駅と異なり、チャオプラヤー川を隔てた西側の対岸に位置していた。
こうした問題の解消に向けて動いたのが、当時の鉄道局総裁であったカムペーンペット親王だった。
チャオプラヤー川の架橋と南線の延長を計画し、南線をフワランポーン駅と直結する工事を行った。
また北線や東線、東北線といった既に標準軌で敷設させた路線は、メーターゲージへの改軌を実施した。
軌間が統一されることは、交通運輸としての利便性は格段に向上する。
しかし、その反面では国土の防衛上の観点からは大きなリスクを伴う。
隣国から攻められやすくなってしまうのだ。
当時は南のマレー半島を英国が支配し、北の北部インドシナをフランスが支配していた。
タイは独立国家ではあったが、位置的にはフランスと英国の間に挟まれた緩衝地帯だとの声もあった。
だから隣国からの防衛を重要視するのは当然の発想である。
国の独立は絶対に守らなければいけない。
こうした中、隣国と軌間を同じくすることに慎重な意見が出るのは無理からぬ話であった。
しかし、カムペーンペット親王は軌間の不統一は、将来に大きな禍根を残すことになると考えた。
そして、遠い将来は、東南アジア諸国に広がる大きな鉄道網を築き上げていくことを思い描いたのだった。
かくして工事は敢行される。
1920年のことであった。
10年後に改軌工事は完成し、タイ全土は一つの線路で結ばれることとなった。
完成したチャオプラヤー川に架かる橋は「ラーマ六世橋」と名付けられた。

フワランポーン駅

それからおよそ100年。タイの鉄道の状況はどうなったのか。
バンコク首都圏では、地下鉄やBTS、エアポートレールリンクなど新しい鉄道が登場し、市民や観光客の利便性を格段に向上させた。
ところが、従前の国鉄は一世紀が経過しても、旧態依然とした路線が多い。
新たな路線が築かれることも少なく、全路線の9割は未だに単線区間である。
それ故に、運行の遅延も多発して、人気は今ひとつといった感が否めない。
サービスの良い高速バスや近年のLCCの登場は、結果として旅行客の足を奪っていった。
隣国との路線はまだまだ限定的である。
南線の終着駅であるパダンブサールでマレー鉄道に接続している。
また、距離は短いものの、ノーンカーイ駅(タイ) – ターナレーン駅(ラオス)との国際列車も始められたという。
その一方、ミャンマーやカンボジアとを結ぶ線路は、戦争と国家体制の違いから切断されたままで、その後の復旧には至っていない。
国際列車運行の計画はあるものの、その実現までの道のりは長いものになりそうだ。
こうした国境を超える路線が、もっと充実してほしいと思う。
誰もが気楽に安全な国際列車の旅を楽しめる、そんな平和な社会になってほしいと切に願っている。
かつてカムペーンペット親王が思い描いた東南アジア諸国を結ぶ鉄道網の完成を心待ちにしている。

参考文献
柿崎一郎 「王国の鉄路 タイ鉄道の歴史」 (京都大学学術出版会)
小池 滋/青木 栄一/和久田 康雄 「鉄道の世界史」 (悠書館)


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軌間 その3 相互直通運転

相互直通運転の一例をあげると東京メトロ副都心線の例がある。
東京メトロ副都心は、埼玉県和光市の和光市駅から東京都渋谷区の渋谷駅を結ぶ東京地下鉄(東京メトロ)の鉄道路線である。
東京メトロ副都心線は、東京地下鉄(東京メトロ)を含めた鉄道5事業者(東武・西武・東京地下鉄・東急・横浜高速鉄道)による相互直通運転が行われており、埼玉県西部の滑川町・川越市・飯能市・所沢市の各方面から神奈川県横浜市までの広域な鉄道網が形成されている。
和光市駅を介して東武東上線への直通運転を行っている。
また、小竹向原駅から西武有楽町線を経由して西武池袋線飯能駅までの直通運転を行っている。
一方、渋谷駅で東急東横線と、さらに東横線の終点である横浜駅から横浜高速鉄道みなとみらい線に乗り入れ、元町・中華街駅まで直通運転を行っている。
このような直通運転は、日本では大都市の地下鉄が郊外への私鉄路線と直通運転するものが代表的であるが、本格的に異事業者間で直通運転が始まったのは1960年代に入ってからである。
昭和35年(1960年)12月に都営地下鉄浅草線の押上 – 浅草橋間が開業した。
同時に押上駅を介して京成押上線・京成本線と直通運転を開始した。
これは地下鉄と郊外の民間鉄道事業者による初の直通運転となった。
その後都営地下鉄浅草線は、昭和43年(1968年)6月に大門 – 泉岳寺間を開業させる。
同時に泉岳寺駅を介して京浜急行電鉄と直通運転を開始した。

相互直通運転のメリットは、異なる路線へ乗り換えなしで往来を可能にさせたことや乗り換えによる所要時間の減少させたこと、また乗換駅の混雑緩和させたことなどが挙げられる。
鉄道網の利便性が向上されたことによって、郊外の発展にも寄与したことも、相互直通運転がもたらした大きな利点であった。
ちなみに、現在の都営地下鉄浅草線は、従来の京成電鉄及び京浜急行電鉄に加え、北総開発鉄道(現・北総鉄道)、芝山鉄道との直通運転を行っており、千葉県の白井市・印西市・船橋市・成田市・芝山町から都心を経由して、神奈川県逗子市・横須賀市・三浦市にわたる広域の鉄道網が形成されることとなった。
また、東京の空の玄関である羽田空港(京浜急行電鉄)と成田空港(京成電鉄)の双方が直通運転される路線となり、いまや両空港を結ぶ大動脈となっている。
旅行者の立場から見ても、この路線の利用価値は絶大であると言える。
相互直通運転が可能になるためには、当然のことであるが、乗り入れる双方の事業者間の軌間が同一であることが大前提である。
軌間が異なれば、相互直通運転は断念しなければならない。
現在の直通相互運転の大きな発展の背景には、民間鉄道の黎明期に、遠い将来を見据えて軌間の統一を図った先見の明があったからに他ならないのである。

4線直通運転開始記念乗車券
4線直通運転開始記念乗車券

写真は、京浜急行電鉄、都営地下鉄、京成電鉄、北総開発鉄道(現・北総鉄道)の4事業者の相互直通運転開始を記念して発売された記念乗車券(京浜急行電鉄発行)。
軌間同じくすれば、直通運転可能な巨大鉄道網の形成も可能になる。

軌間 その4 改軌そして東南アジアの鉄道網
https://ponce07.com/track-gauge-04/

軌間 その2 弾丸列車計画と新幹線

昭和7年(1932年)ころ、日本から朝鮮半島・中国大陸へ向かう輸送需要は年々急増していた。
その前年(昭和6年)には満州事変が勃発し、翌年(昭和7年)には満州国も成立したためであった。
東京や大阪から満州へ向かう当時の最速ルートは、まず東海道本線・山陽本線で下関まで行き、関釜連絡船で玄界灘を渡って釜山に上陸後、さらに朝鮮総督府鉄道(鮮鉄)・南満州鉄道(満鉄)を利用するというルートであった。
ところが、その当時すでに東海道本線と山陽本線は輸送力が逼迫した状態であった。
その頃はすでに、四大工業地帯といわれる京浜工業地帯、中京工業地帯、阪神工業地帯及び北九州工業地帯が形成されていたことから、人やモノの流れが集中した。
東海道本線と山陽本線の総延長は当時の国鉄線の7%程度に過ぎなかったものの、輸送量は全体の約3割を占めていた。
特に昭和12年(1937年)7月に盧溝橋事件が起こり、日中戦争が始まると、このままの状態では輸送量の増加に対処しきれなくなるとの恐れがあった。
そこで昭和13年(1938年)に当時の鉄道省は輸送力強化に関する調査研究に着手し、輸送力拡大のための方策が具体的に検討されるようになり、結論として早期に同区間に別線の高規格鉄道を敷くことが必要であるということになった。
国鉄では鉄道開通以来狭軌(1,067mm)を採用しているが、将来的に輸送量の増加が見込まれる東海道本線・山陽本線の別線として、東京~下関間に標準軌(1,435mm)で高速鉄道線を建設するという計画が起こる。
広軌を使用すれば高速運転ができるだけでなく、大陸の鉄道である満鉄や鮮鉄が標準軌を採用していたので、それらとの直通運転が可能になる。
軍事輸送の面からも有利という理由で標準軌が採用されたのである。
また、連絡船を使用する事で将来的には東京とアジアを結ぶ路線の一端を担う計画もその背景にあった。
この高規格鉄道は、当時新聞など世間一般では弾丸のように速い列車であるという形容として「弾丸列車」という語が使われた。
昭和14年に建設が正式に決定されると翌昭和15年には予算案が通過し、工事が開始される。
そして昭和16年には難工事が予想された日本坂トンネルと新丹那トンネルの工事が着工された。
当初は昭和25年の開業を目指して工事が行われたが、後に昭和29年開業に変更される。
しかし、戦争の激化に伴い昭和18年に工事は中止され、その後敗戦を迎えることとなった。

弾丸列車計画自体は実現することはなかったが、戦後の復興と共に鉄道および道路輸送の需要が増大すると、東海道本線の貨客輸送能力は逼迫し、新たに東海道新幹線が計画されることになる。
昭和20年代の国鉄は旧軍出身の技術者を多数獲得し、彼らがその後新幹線計画を進めることになる。
弾丸列車計画時に買収された土地の返還訴訟が起きていたが、この東海道新幹線計画が決定したことを受けて東京~大阪間で取得していた土地に関しては東海道新幹線にて使用されることとなり、また弾丸列車計画において工事が進められていた日本坂トンネル・新丹那トンネルなどは東海道新幹線で使用されることとなった。
弾丸列車計画において設置される予定だった駅は東京から順に横浜・小田原・熱海・沼津・静岡・浜松・豊橋・名古屋・京都・大阪・神戸・姫路・岡山・広島・下関となっていた。
こうしてみると、のちの東海道新幹線・山陽新幹線の停車駅と酷似しているのがよくわかる。
そして昭和34年4月に新幹線建設が起工する。
1,435mm標準軌を使用した本格的な長距離高速鉄道である。
戦時下で軍事色の強い「弾丸列車」計画が、戦後に「新幹線」と形を変え、昭和39年10月に東京オリンピックの開催に合わせて開業することとなった。
しかしそれは同じ国鉄線で在来線1,067 mm、新幹線1,435 mmと二つの軌間が併存することの始まりでもあった。

軌間 その3 相互直通運転
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