タイ現地採用で働く日本人の一日

前回のコラムで、タイ現地での求人広告について触れてみたところです。
タイに関する情報を発信しているバンコク在住のユーチューバーである「TJさん」の動画で、最近とても興味深い情報がありましたので、ここで紹介してみたいと思います。
この動画は、現地の日系企業で働き始めた若い日本人サラリーマンの一日を追ったレポートになります。


TJ Channel Thailand【海外転職】タイ現地採用で働く日本人に1日密着!!

https://www.youtube.com/watch?v=h8I8ZQz9G1

この30歳台の若いサラリーマン。
チョンブリー県に現地法人と工場がある、特殊鋼のメーカーに勤めています。
かねてから海外での勤務を希望していたこともあり、旅行で何度か訪れていたタイへの転職を決めたといいます。
業務内容は、タイ国内の日系企業への営業です。
タイは、メーカーの工場が数多くあり、主に自動車部品の工場への特殊鋼のセールスを手掛けているのだそうです。
営業職ではありますが、顧客に届ける金属の加工が、注文通りに仕上がっているかの確認は怠りません。

まず驚かされたのは、専用の送迎車が用意されていること。
しかも運転手付きという。
毎日の通勤はもちろん、お得意先を訪問するときにも使う、専属の送迎車になります。
東京にいる頃は、毎日混雑した通勤列車に揺られながら、会社勤めをしていたとのことですから、この待遇には驚いたといいます。

語学については、本人は、タイ語も英語も得意ではないと語っています。
営業先は、日系企業なので、言葉の障壁はありません。

住居については、バンコクにあるコンドミニアムを借りているそうです。
コンドミニアムについては、東京よりも安価で良質の部屋を借りることができます。
ジムやプールのついたコンドミニアムでも、立地条件にもよりますが、10,000バーツ程度から借りることもできるのです。

この日は、午後6時前には、帰宅しており、普段も「このくらいの時間には帰れる」と言います。
土日は休めて、残業もあまりなく、労働環境には恵まれているようです。
そして最後に、「お給料の額」を公開しています。
かつては、現地採用は「キツい割に給料は格安」と言われていましたが、決してそうではないことがわかりました。
時代は確実に変化しているのです。

現地採用で就労ビザ(労働許可)を受けるために必要な収入は、1か月あたり50,000バーツ以上が原則と言われています。
例外的に投資推奨対象である企業は、就労ビザの取得条件が緩和されるため、コールセンターなどの求人では30,000バーツ程度でもビザを取得することもあるそうですが、基本的には50,000バーツ以上の初任給が必要になります。
バンコクでの生活費を考えると、月収が50,000バーツあれば、そこそこゆとりを持った生活ができるのではないかと思います。

もちろん、慣れない異国で仕事をする以上は、何かと気苦労も絶えないところとは察します。
誰もかれもがうまくいくわけではありません。
それでも、この若いサラリーマンのように、チャレンジ精神を持った日本人が多くいることに、感動です。
そしてなによりも、この青年の表情がいいです。
道は始まったばかりなのかもしれませんが、満足のいく人生を送っているということが、その表情からうかがえます。

日本で働くということは、手厚い社会福祉と良質のサービスに護られた生活を送ることができるのは確かであると思います。
しかし、その一方で、高額の社会保険料を負担しなければならないことは避けて通れません。
しかも、少子高齢化が進展している日本では、さらなる負担が求められるのは必至です。

そんな中、いろいろなリスクを承知でも、海外への転職にチャレンジしていくバイタリティには、感動です。
こうした志の高い若者が増えていけば、日本も、アジアの国々も、もっと元気になれるのかもしれません。

 


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