ビザについて  วีซ่าไทย

ビザとは日本語で「査証(さしょう)」と呼ばれ、簡単に言うと入国許可証のようなものです。

本来であれば、外国人がある国に渡航しようとするときは、予めその渡航先の大使館や領事館にビザの発給を依頼して、これを取得しておくのが原則です。

渡航先がビザを発給する一番の目的は、自国に入国を希望している人物を事前に審査することで、入国しても問題ない人物か否かを選別することにあります。

当然に何らかの問題が見つかれば事前に入国を拒否することになります。

しかしながら、一定の条件を付けることで、このビザ取得を免除する制度もあります。

日本国籍保有者は、信頼度が極めて高く、ビザを取得しなくても行ける国(地域)は、2020年7月現在、191か国あり、これは世界一と言われています。(ヘンリー・アンド・パートナーズ社のパスポートインデックスhttps://www.henleypassportindex.com/passport)

 

タイについてみると、日本国籍所有者は、観光目的で入国後30日以内に出国する予約済み航空券があれば、ビザなしで30日(29泊30日)滞在できるとされています。

つまり短期間の観光であれば、通常はビザのことを考える必要はありません。

しかしタイ好きが高じて、長居してしまうような旅行者は、この日数の制限が問題になります。

僕が初めてタイに入国した平成3年当時は、ビザなしの滞在許可が現在の30日以内ではなく、15日以内でした。

これより長く滞在したいのであれば、この滞在許可が切れる直前にマレーシアのバターワースやラオスのビエンチャンなどの近隣国に一時的に出国して、その後タイに再度入国する手法、いわゆるビザランという手口がよく使われました。

一回出国してからまた入国すれば、滞在許可の期限はリセットされるので、これを繰り返せば、理論上は長居ができたのです。

しかしこうしたビザランを繰り返す不良旅行者が増えたことから、現在はビザランが規制されるようになりました。

ビザランの回数は暦年で年間2回までと言われています。

一方観光ビザを取得すれば、もう少し長い滞在許可を得ることができます。

観光ビザであれば許可日数60日になり、一回30日間までは延長可能。

つまり最長90日滞在可能になります。

現役のサラリーマンにとっては、これほどの休暇は取れないのですから、こんな条件はまったく無用のことになりますが、引退して海外でセカンドライフを満喫したい旅行者にとっては、90日でも短く感じることでしょう。

このたびタイ政府は2021年9月30日までの期限付きで、長期滞在者に特別観光ビザを発給することになりました。

このビザでは90日間の滞在が可能で、かつ2回延長することができ、それぞれさらに90日間の滞在が許可されるとのことです。

ビザの取得費用は90日間ごとに2,000バーツかかりますが、これはかなりの好条件と言えます。

滞在期間が最大270日ということになりますので、ロングステイ派には朗報と言えます。

ただし新型コロナウイルス対策のため入国後の14日隔離などの条件がありますので、いまの段階でこの制度を利用しようと考える人はかなり限定的と思われます。

また、50歳以上で、タイ国内に一定額の貯金を持っている(現行は800,000バーツ)あるいは一定額以上の年金受給者(受給額が月額67,000バーツ以上)であれば、1年間滞在可能ないわゆるロングステイビザ(正式にはNon-immigrant Visa-O)が取得可能です。

しかし取得のために用意しなければならない書類がかなり煩雑で、ハードルは高そうです。

 

いまはコロナ禍で出入国が厳しく規制され、事実上の鎖国状態です。

新しい生活様式のなかで、自宅のパソコンの画面の中で、空想の旅を繰り返している人も多いかと思います。

そんななかでも、将来の旅行自由化を夢見て、ビザの研究をすることは意味のあることと思います。

(なお、文中のビザ取得要件については2020年10月時点のものになります)


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