食べ残しの文化

先日 職場での懇親会の席で、3010(サンマルイチマル)運動と書かれた見慣れない表示を目にしました。
この3010(サンマルイチマル)運動とは、食品のロスを減らすための運動のことだったのです。
これは「宴会の開始から30分間と、閉宴10分前には席に座って食事を楽しみましょう」というところからきたものです。

日本は、食料自給率が相当に低いのにもかかわらず、食べられる状態にもかかわらず廃棄される「食品ロス」は多いと言います。
消費量全体の2割にも相当する量が「食品ロス」になっているという統計もあります。
僕自身は、普段は食べ残しをするようなことは、ほとんどしません。
しかし、歓送迎会や忘年会などの宴会の席では、食事よりもトークのほうが優先され、席を移動して飲みながら話をしたりすることが多くなり、食べ残しをしてしまうこともあります。
良くないこととわかっていながら、完食する前に、宴席がお開きになってしまうことも少なくありません。
こうしたことから、「宴会の開始30分と閉宴の10分前には席に座って食事を楽しみましょう」という3010運動は、食品ロスをできる限り減らそうという意味でたいへん意義のあることと思います。

日本では、食べ残しの習慣は否定的です。
食べ残しは、「もったいない」「行儀が良くない」と考える人が多いのです。
一方タイでは、食べ残しの習慣は、あまり問題にされません。
食べ残して、捨てることに抵抗を感じる人は少ないと言います。
やはり、そこは熱帯の国。
年に2~3回も米が収穫できるうえに、野菜や果物も豊富に獲れる土地柄なので、食べ物にさほど執着する必要がないのでしょう。
また、別の問題として、暑さゆえに食品の傷みも早いので、食べ残したおかずを、あとでまた食べるというような発想は生まれにくいのでしょう。
こうして、食べ残しは次々に廃棄されることになります。
例外は、僧侶の世界です。
僧侶は托鉢などを通して、寄進された食べ物は、すべて消費します。
頂いたものを廃棄するのは、非礼と考えているのです。
そのおかげで、最近は肥満に悩む僧侶が増えているという話も聞きます。

食事はおいしく適量に
とはいえやはり食べ残しの習慣は、やはり好きにはなれません。
もったいないのはもとより、その料理を作った料理人にも失礼でしょう。
食品ロスを廃棄するためのコストも負担しなければなりません。
食べ残すくらいなら、最初から注文しなければいいのです。
逆に、注文した以上は、最後まで食べるべきです。
旅先ではおいしそうなものに目移りして、あれこれと必要以上に注文してしまいがちです。
適量の注文をして、食べ残しをすることのないように気をつけたいものです。

整髪料 ยาแต่งผม その2

この「丹頂チック」を発売したのは、大阪にあった「金鶴香水」という貿易会社でした。
「丹頂チック」は、この会社を長年に渡って支え続けるロングセラー商品となりました。それから、戦後になり、「丹頂コールドクリーム」「丹頂ヘアトニック」といった「丹頂ブランド」の商品を発売し、社名も丹頂株式会社に変更しています。
しかし栄華の時代はそう永くは続きません。
東京からヒットマンがやって来たのです。
「MG5」シリーズを打ち出した資生堂です。
市松模様の化粧瓶に見覚えのあるかたも多いのではないでしょうか。

MG5
この都会派で現代風のブランド「MG5」のヘアリキッドは、販売数を伸ばしていきます。
こうした攻勢に押し切られる形でシェアは逆転し、丹頂は倒産のピンチに見舞われます。
そこで丹頂が一世一代の大勝負に打って出ます。
イメージCMの投入でした。
昭和45年(1970年)に、アメリカの大物俳優であるチャールズ・ブロンソン氏をイメージ・キャラクターに起用し、新ブランド「マンダム」シリーズを発売します。
都会派で現代風の「MG5」と全くの正反対のイメージの「男臭さ」を前面に打ち出したテレビCMは斬新なアイデアだったのでしょう。
テレビCMが功を奏して、「マンダム」シリーズは大ヒットを記録することになります。
一時は倒産寸前の窮地に見舞われましたが、そこから見事な復活を遂げ、昭和46年(1971年)には株式会社マンダムへと社名変更することになります。
その後も「GATSBY」(ギャツビー)シリーズや「LUCIDO」(ルシード)シリーズといった新ブランドを投入するなど、幾度となく製品リニューアルを繰り返します。
「丹頂チック」は、そんななか現在も発売されている超ロングセラー商品なのです。
株式会社マンダムのHPにある丹頂チックのキャッチコピーには、「永年にわたり男たちの支持を集め、磨きぬかれた大人の香り。円熟したスタンダードナンバー。」とあります。
これが丹頂チック
ところで、この「丹頂チック」は、いま日本国内では製造されていません。
現地企業と合弁して設立したインドネシアの現地法人が持つ工場で生産されているとのことです。
もともとは、フランスなど外国からの輸入化粧品に対抗して、国内製造されたのが始まりだった「丹頂チック」ですが、それがいまは日本製ではなく、すべてインドネシア製で、いわば逆輸入のような形態で日本で販売されていたのです。
現地生産された商品は、現地での需要もある程度見込めると言われています。
インドネシアに、昭和のモダンボーイを彷彿とさせる「テカテカ男子」が登場する日もそう遠くないのかもしれません。

整髪料 ยาแต่งผม その1

みなさんは、普段はどんな整髪料をお使いでしょうか。
忙しい朝でも、手軽に短時間でセットできるものがいいですね。
最近はヘアジャムのような、軽めのタッチが流行りのようですが、僕の場合は少々違います。
同じ整髪料でもディップのように、髪を固めるタイプの物をよく使います。
少々古臭い感もありますが、昔からそのスタイルに変わりはありません。
タイでもディップを買ったことがあります。
日本のものと異なり、独特の香料が含まれているものが多いのがやや気になるところではありますが、比較的に安価で購入できます。
もっといろいろなメーカーのものを試して、お気に入りの品を見つけたいと思います。

タイで販売されているディップ
さて、今回のコラムで、この整髪料の話題を選んだのは、先日床屋で見かけた珍しい整髪料があったからです。
その整髪料とは、『丹頂チック』です。
知らない人が多いと思いますので、少しご説明いたします。
発売されたのは昭和8年(1933年)で、現在もまだ販売されている超ロングセラーなのです。
僕自身は使ったことはありません。
ヘアドライヤーのある今の時代は、ディップのほうが使いやすいですし、「丹頂チック」は香料が強すぎて、とても今風ではありません。
しかし昭和の初期は、当時の「モダンボーイ」に愛用され、今でもシニア世代の日本人には、根強いファンがいるということなのでしょう。
特徴といたしましては、髪をきっちりと固めるタイプの整髪料で、筒型のケースに入っていて、見た目はスティックのりを大きくしたような感じです。
これを、まさにスティックのりを使う要領で、ケースから少しだけ出して、髪に少しづつつけていくのです。
発売当初は、手を汚さずに髪をセットすることが出来るのがウリだったようです。
当時の日本では、髪を固めるのに「鬢(びん)つけ油」が使われていました。
いまでは、角界の力士の髷(まげ)を結うときにしか使われない鬢つけ油ですが、これは手にべたつくもので、使い勝手が良くありません。
そんな中、手軽に髪をセットすることができる「丹頂チック」は、大いに好評を得ることになりました。

これが発売当時の商品ポスター。キャッチコピーには「國産化粧品の最高基準品!パリー製に優る丹頂チツク」とあります。
モデルのテカテカ感がスゴイ!
整髪料 ยาแต่งผม その2
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