タイの夜行寝台列車

最近は、ウイルスの流行のため、出入国も制限されている状況で、旅行も自粛せざるを得ない事態です。

非常に残念な事態です。

早くに回復し、自由な旅行が再開できることを祈るばかりです。

さて、以前の記事でタイ国鉄の予約方法について紹介しました。

初心者必見! 日本にいながらできるタイ国鉄のネット予約法 その1)

今回は、実際にタイの夜行寝台列車に乗車したときの様子について書いてみたいと思います。

かつて日本の鉄道に数多くあった夜行寝台列車。

「ブルートレイン」の愛称もあった夜行寝台列車は、いまとなっては、ほとんど姿を消してしまいました。

現在残っている臨時列車を除く定期夜行旅客列車は、東京~出雲市間を結ぶ寝台特急「サンライズ出雲」と、東京~高松間を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸」2本のみとなりました。

この2本は東京から岡山までは連結して走りますから、実質上はわずか1本と言ってもいいのかもしれません。

新幹線の延伸やLCCなど空の便の充実などによって、移動にかかる時間が大幅に短縮され、前日の夜に出発するメリットが少なくなったのが大きな要因です。

タイでは、空の便はかなり充実しており、また夜行高速バスも数多く運行されています。

しかし、タイ国鉄の夜行寝台列車も、まだまだ健在です。

利用者も多いのでしょう。

早めに予約を入れておかないと、寝台の確保が難しいくらいです。

今回乗車したのは、南本線バンコク発の特急列車番号85番になります。

最終目的地は、ナコーンシータマラート(นครศรีธรรมราช)ですが、今回はスラータニー(สุราษฎร์ธานี)まで乗車しました。

バンコク出発は19時30分で、スラータニー到着予定時刻は翌朝の7時06分となっています。

運賃は料金込みで、2等寝台の上段は718バーツでした(下段利用の場合は808バーツになります)。

プラットホームには、はっきりと表示があり、迷うことはありません。

列車車体にも、区間と号車番号が表示されていますので、安心して乗ることができるかと思います。

寝台は、ほとんど埋まっていました。

ピーク時は早めの予約が賢明と思います。

列車は、定刻より8分ほど遅れて動き始めました。

タイ国鉄の駅にはいわゆる「改札口」がありません。

列車に着席したら、乗務員が検札に来ます。

ネット予約時にPDFで送られてきた乗車券は、印刷しておく必要があります。

紙の乗車券は、ここでチェックされることになります。

と言っても切符を切るハサミのようなものはなく、乗務員がボールペンでサインして終わりです。

それからほどなくしてベッドメーキングが始まります。

車内販売の弁当もありましたが、発車からベッドメーキングまでの時間が長くないので、食事は乗車前に済ませておいたほうがいいかと思います。

ちなみに、車内販売にビールなどのアルコール類はありません。

タイ国鉄は車内での飲酒が禁じられているのです。

「寝るには少し早いかな」とも思いますが、これでは仕方ありません。

乗務員が手早く座席を倒して、真っ白なシーツを敷いていきます。

寝具は清潔で快適です。

ベッドがセットされると、天井に頭がつかえてしまいますので、横になるしかありません。

冷房付の車内ですが、噂に聞いていたとおり相当に冷えます。

長袖の上着は必携です。

レールの上を進む心地良い音を聴いているうちに、瞼が重くなってきます。

翌朝、6時を回り周囲が明るくなってきます。

車窓の風景は、南国の濃い緑色です。

乗務員が寝具を片付けに来ます。

目的地のスラータニーへは、定刻より40分ほど遅れで到着しました。

夜行の移動ですが、身体を伸ばして寝られるのは快適です。

夜行列車には、飛行機やバス移動では味わえない「旅情」というものがあります。

ぜひ一度は乗車してみてください。

 


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冷静に考えて予防のための行動を…

ここ数日、メディアでは新型コロナウイルスの話題で持ちきりです。

世界的に流行し、かつ日本国内での感染者が確実に増えている状況ですから、これは仕方ありません。

タイ在住の知人からも、日本の状況を気遣い、そして多くの励ましの言葉を頂きました。

本当に感謝しております。

現在は、タイから日本へは渡航が自粛されている状況です。

こうした状況下では、日本からタイへの旅行も中止せざるをえません。

早く事態が安静化して、自由に旅行ができる日が戻ってくれることを心待ちにしています。

さて新型コロナウイルスに感染したらどうなるのでしょうか。

これまでにないタイプのウイルスなので、感染力が強いと言われているようですが、実際のところその実態はまだよくわかっていません。

一部の高齢者や病弱者には重症化する人もいるようですが、多くの人は無症状ないし軽症とも言われています。

また感染ルートとしては、くしゃみや咳などの飛沫感染とウイルスが付いた手すりやつり革などをつかむことによる接触感染があると言われています。

その予防のために、手洗いやうがいをこまめにするとか、咳の症状が出ているときは、外出を控えるとか、やむを得ず外出しなければならないときはマスクを着用するなどの感染防止策が必要とされています。

しかしこうした予防策は、これまでのインフルエンザ流行の際にも繰り返し言われていることなのです。

また仮に感染しても、有効な薬はなく、栄養と休養をとって自然に症状が和らぐのを待つ「対処療法」しか方法がないと言います。

こうした決定的な有効策がないという点でも、通常の風邪やインフルエンザの症状に似ています。

ですから、結局のところ、自ら感染の防止に努めるなければならないということと、万が一感染しても、休養して自然に回復するのを待つだけという結論なのです。

僕が学生時代にバックパッカーのような旅行をしていた時は、風邪などの発熱や下痢などの症状があっても、さほど慌てることもなかったような気がします。

長く旅行をしていれば、体調を崩すことは、よくあることなのです。

バックパッカー連中は体調が悪くても、特に何をするでもないタフな人が多かったように思います。

あるベテランの旅行者の話を聞いたのを思い出します。

風邪などの発熱があるときはどうしていたのかというと、「よりたくさん食べて、持っている衣類を重ねて着こんで寝てしまうだけ」とのことでした。

汗をかいて寝ることを2~3日繰り返せば、回復できるというわけです。

また、激しい下痢に襲われたときはどうしてしたのかというと、「一切の食事を絶って、水しか飲まない」とのことでした。

一日絶食すれば、たいていは次の日には回復しています。

このべテランの旅行者は、薬もあまり使わないようでした。

ましてや、医者にかかるようなことはめったにないようでした。

つまりここでも、「自然に回復するのを待つ」のが基本的なスタイルなのです。

いまの日本人は何らかの体調の異常が見つかったら、まず病院や診療所を探します。

国民皆保険の制度により、診察時の自己負担は低く抑えられています。

その一方、処方箋がないと効果の高い薬を買うことはできません。

一方タイ人の場合は、まず症状にあった薬を探します。

診察料は相対的に高く、特に私立病院ではかなり高額の負担になるため、受診は慎重になります。

その一方、薬局では比較的自由に薬を購入できます。

軽度の症状であれば、コンビニエンスストアでも薬を購入することができます。

日本では公的な保険が充実していて、国民誰もが軽い症状であっても気軽に受診ができます。

しかしその一方で、保険料負担は高額で、かつ税の負担も過大で、国民は相当な公的負担を強いられているのが現状です。

反対にタイでは、薬代が安価で簡単に購入することができます。

しかしその一方で、公的な保険では給付が少なく、満足な診療代をカバーすることができません。

そのため、裕福層は自ら民間の保険商品を選んで、これに加入することになります。

どちらの制度が優れているのか、判断は極めて難しいでしょう。

病弱の人とそうでない人によってもその判断は異なりますし、裕福な人とそうでない人によってもその判断は異なります。

どちらがより良いのかという答えは、各人に委ねたいと思います。

ただし、これだけは言えます。

公的な保険が乏しい社会では、必然的に自分で考えて行動することを余儀なくされるという点です。

トイレットペーパーはどこも品切れ(2020.03.01)

 

今回の新型コロナウイルスの騒動で強く感じたことは、自分の身は自分で守らなければならないという点です。

日本は、政府が手厚い保険制度を用意したおかげで、医療機関に受診しやすい社会です。

そのおかげで重症化を未然に防ぐことのできる優れた社会であるのは事実です。

しかしその一方で、自ら判断し、予防しなければならないという発想に乏しくなっているようにも感じます。

昨日も近所のスーパーやドラッグストアで、マスクやトイレットペーパーを求める長い行列を見ました。

いずれも人も苛立った様子で、店内は非常に混乱していたようです。

「トイレットペーパーがなくなる」などという、ちょっと考えれば明らかにウソと分かるようなデマにも簡単に流されています。

どう見ても、落ち着いた考えの大人の行動には見えません。

冷静に考え、自ら予防のための行動をとることが求められると私は考えます。

 


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