昔ながらの石から美容液へ タイのデオドラント進化論

 

ここ長崎ではおくんち(秋の大祭)も終わり、ようやく朝夕に吹く風が涼しくなってきました。
今年2026年の夏は、全国的に記録的な高温となり、国内で初めて5日連続の酷暑日(40℃以上)を記録するなど、各地で異例の厳しい暑さでした。
とりわけ7月中旬〜下旬にかけて西日本などで平均気温が統計開始以降で最も高い記録を更新したそうです。
9月に入っても残暑が続いていましたが、10月になってようやく秋の涼しい風を感じるようになりました。

今年のような猛暑続きの毎日でも、ここ数年は汗をあまり気にすることなく、快適に過ごすことができています。
以前は暑がりで汗かきの体質でしたが、最近はそれほど暑さが気にならなくなりました。
体質が変わったことも要因のひとつですが、それ以上に大きな要因としては、以前紹介いたしました、タイのデオドラント・ストーンのおかげかもしれません。
(Thai Deodorant Stone タイ発・自然派デオドラントのすすめ! 清潔文化と快適生活のヒント)
このデオドラント・ストーン。
一度使ってみるとその快適さが実感できます。
まだ使ったことのない方は、一度試してみてください。

これがデオドラント・ストーン(アルム石)


ところで最近のタイでは、そのデオドラント事情そのものが大きく変化しています。
定番のデオドラント・ストーンは今も健在ですが、その一方でタイのデオドラント市場には新しい流れが生まれています。
脇ケアは、いつの間にか「ただの制汗」ではなくなっているのです。
タイではおなじみのドラッグストアのWatsonsやBootsへ入ると、日本では見かけないようなデオドラント専門コーナーが設けられており、その品揃えの豊富さに毎回驚かされます。

その中には、私が普段愛用しているデオドラント・ストーン(アルム石)の姿もあります。
無香料で、成分はほぼミョウバンだけ。
「余計なものが入っていない」という安心感があり、タイでも長く支持されてきた昔ながらの定番商品です。

しかし近年、タイのデオドラント市場は大きく変化しています。
かつて棚の大半を占めていたロールオンタイプの商品の横に、「Whitening」「Brightening」「Serum」と書かれた商品が並びます。
アルム石のような“石の時代”から、美容成分をたっぷり配合した“脇用美容液”の時代への変化です。
この変化は、単なる商品ラインナップの増加ではなく、タイ人の脇ケアに対する価値観そのものが変わった結果ともいえます。

■ タイ人の悩みは「汗」だけではない
タイは高温多湿の国です。
汗をかく量が多く、脇のニオイ対策は生活の一部と言っていいでしょう。
しかし、タイの若い世代が気にしているのはそれだけではないのです。
・脇の黒ずみ
・シェービングによる摩擦
・ザラつき
・毛穴の目立ち
・服との擦れによるくすみ
こうした悩みが重なり、脇の肌を「顔と同じようにケアしたい」という発想が生まれます。
その結果生まれたのが、“Underarm Serum(脇用美容液)”という新たなジャンルでした。

■ “脇用美容液”とは何か
脇用美容液は、従来のデオドラントに比べてさまざまな美容成分が配合されています。
・ナイアシンアミド(美白・くすみケア)
・ビタミンC誘導体(トーンアップ)
・アルブチン(色ムラ改善)
・AHA(乳酸)(角質ケア)
・パパイヤ酵素(やさしいピーリング)
・パンテノール(保湿)
つまり、「汗・ニオイ対策」+「黒ずみ・ザラつき・毛穴・保湿」まで一気に面倒を見るという発想で作られているのです。
脇を“ただの脇”ではなく、「見せる肌」「整える肌」として扱う文化が生まれたと言っていいかもしれません。

■ タイで流行している具体的な商品
ここからは、実際にタイで人気の脇用美容液を紹介しながら、進化の方向性を見ていきましょう。

● NIVEA Extra White Roll-on(タイ限定)
日本でもなじみ深いNIVEAですが、タイでは“美白系ロールオン”が主力。
ナイアシンアミド配合で、汗・ニオイ+黒ずみケアを同時に行うのが特徴です。
ドラッグストアの定番商品で、男女問わず人気が高いようです。

NIVEA Extra White Roll-on(商品HPより)


● Deonat Papaya / Aloe
アルム石の進化系。
ミョウバンをベースに、パパイヤ酵素やアロエを加えて角質ケア・保湿をプラス。
“ナチュラル派だけど美容もしたい”という層に人気です。

Deonat Papaya(商品HPより)


● Mistine Underarm Perfume Roll-on
香水のような香りを楽しめるロールオン。
「脇から香りをまとう」という新しい価値観を広めました。
デオドラントがフレグランス化している象徴的な商品です。

特にタイで昔から愛される「TOP COUNTRY(トップカントリー)」の香りは、どこか懐かしくもエキゾチックな定番として今なお根強い人気を誇っています。

Mistine Underarm Perfume Roll-on TOP COUNTRY(商品HPより)


● Cathy Doll Underarm Serum
SNSで最も話題になった脇用美容液。
ナイアシンアミド+ビタミンCで黒ずみケアに特化した商品です。
「脇のトーンアップ」を前面に押し出し、若い女性の支持を集めています。

Cathy Doll Underarm Serum(商品HPより)

■ アルム石と美容液の“使い分け”という新しい提案
アルム石は、もちろん今でもタイで愛されている定番です。
その理由は、シンプルで安心感があり、香りが邪魔しないからに他なりません。
一方、脇用美容液は、黒ずみ・ザラつき・毛穴など“見た目の悩み”に強い存在です。
両者は競合ではなく、むしろ併用することでさらに力を発揮すると言えるのです。
日常使いはアルム石で汗・ニオイ対策
夜のケアは脇用美容液で黒ずみ・角質ケア
香りを楽しみたい日は香水系ロールオン
といった具合です。
このように、いまや「脇ケアをシーンで使い分ける」という新しいライフスタイルが生まれているのです。

■ タイのデオドラントは“脇の美容”へ
アルム石という素朴な石から始まった脇ケアは、タイでは美容液レベルのスキンケアへと進化しています。
背景には、高温多湿の気候、黒ずみの悩み、SNS文化、香りへのこだわりなど、タイならではの生活文化があります。
この変化を知ると、デオドラントは単なる制汗剤ではなく、「脇の肌を整える美容アイテム」として、新しい価値を持ち始めていることがわかります。

ちなみに以前このデオドラント・ストーンのいいところは、「なかなか減らないこと」と紹介しました。
毎日使っていても、減っていく実感があまりありません。
とはいえ、さすがに2年も使えば変化が現れます。
では実際にどんな姿になるのでしょうか?!

約2年間使い続けたタイのデオドラント・ストーン。ケースから外れるほど小さくなりましたが、まだ現役です。


上の写真は、使用開始からおよそ2年が経過した現在の状態です。
石はケースから外れ、形も崩れています。
かなり小さくなりましたが、手にとってまだ使い続けています。
そろそろ新しいものに換えてもいいのですが・・・
それだけ愛着があるということでもあります。

タイで初めてアルム石を買った頃には、その後脇用美容液が並ぶ時代が来るとは想像もしませんでした。
昔ながらのデオドラント・ストーンは今もお気に入りですが、タイの美容文化は今も進化を続けています。
次回タイを訪れた際には、ドラッグストアの棚をのぞきながら、また新しい発見を探してみたいと思います。

 

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ドンムアン空港の穴場フードコート「Magic Food Park」 リーズナブルに味わえるローカルなタイ料理と便利な立地

 

以前「ドンムアン空港の“早い・うまい・安い”」で、ドンムアン空港の「マジック・アロイ」を紹介しました。(https://ponce07.com/quick-food-in-donmuang-airport/)

最初の記事を書いてから6年が経過しています。
追記したところですが、昨今の価格上昇の影響もあったのでしょう。
価格改定が行われていました。
おかずが1品なら60バーツ、2品なら70バーツ、3品なら80バーツとなっています。
それでも空港内の飲食スポットとしては気軽に利用できる価格帯であることに変わりありません。

今回は、もうひとつ利用価値の高い、リーズナブルな空港内のフードコートを紹介します。
その名は「マジックフードパーク(Magic Food Park)」です。
場所は国内線ターミナルの2階にあります(保安検査場の外の一般エリアにあります)。
国際線ターミナルからは、まずは南方向の国内線側に、SRTドンムアン駅の案内表示にしたがって歩きます(空港内にはSRTドンムアン駅を示すピクトグラムが掲示されていますので、これを目指して歩きます)。
国内線ターミナル2階の北側、SRTドンムアン駅へ続く連絡通路の手前にあります(「Magic Food Park」の英語表示が出ています)。

ドンムアン駅を目指して歩きます


ドンムアン空港で国内線に乗り継ぐときや、ドンムアン空港から鉄道を利用するときなどは、ちょうどいいロケーションにあると言えます。
前回は日本からドンムアン空港に到着してからすぐのときと、南部のクラビからアユタヤに向かう乗り換えのときに利用しました。

ソムタム(ส้มตำ)を作っています


「マジックフードパーク(Magic Food Park)」が3階の「マジック・アロイ」と異なる点は、このフードパークは、タイ国内に一般的にあるフードパークと同様に、店頭での現金の受け渡しはしないカード式の精算方式を採用している点です。
最初に入口にあるカウンターで、現金をカードにチャージしてもらいます。
一人旅の旅行者であれば、とりあえず100~150バーツのチャージで十分でしょう。
なおここでのチャージは「現金のみ」になります。
クレジットカードなどは利用できませんのでご注意ください。
帰る時カードを返せば残金が返金されますので、お帰りの際はこの返金手続きをお忘れなく。

このフードコートは、空港内のレストランというより、地元タイ人旅行者や空港職員向けのフードコートというような位置づけになります。
そのためか、外国人旅行者の姿はあまり見かけません。
英語での表記などはそれほど多くはありませんが、ほとんどのお店では写真付きのメニューが掲示されています。
メニューの番号で注文すればOKなので、タイ語に不慣れな人でも特に問題はありません。

カオトム(ข้าวต้ม・タイ式の雑炊)


メニューは定番のカオマンガイ(ข้าวมันไก่・鶏のダシで炊いたご飯の上に茹で鶏肉を乗せ食べるタイの国民的屋台料理)、クイッティアオ(ก๋วยเตี๋ยว・米粉麺)やカオトム(ข้าวต้ม・タイ式の雑炊)、ソムタム(ส้มตำ・青いパパイヤを使ったサラダ)など。
日本人にもなじみのあるメニューを提供する店が並んでいます。
価格帯も安価で60バーツからありました。
大半のメニューは100バーツ以内なので、空港内の飲食スポットとしては経済的ということができるでしょう。

ソムタム(ส้มตำ)本場の辛さでした


僕はカオトムを注文してみました。
量は思っていたよりも少し多めで、香辛料の効いた味はタイそのものでした。
またソムタムも注文してみましたが、こちらは「本場の辛さ」でした。
一口食べると、一瞬遅れてから辛さが響き、汗が出てくるのがわかります。
空港に到着して間もないタイミングだったこともあり、「タイに着いたんだな」と改めて実感しました。
なお、店頭やテーブルには、タイで一般的な唐辛子や酢、砂糖といった各種の調味料が備えられていますので、ご自身のお好みで調整は可能です。

各種の調味料 お好みに味変できます


時間帯によっては混み合うこともありますが、椅子の数は多いので、たいていは問題なく座ることはできます。
空港での乗り継ぎ時間に、食事を済ませつつ時間調整をするときなどでも、利用価値は高いと感じました。

ご飯ものや麺類だけでなく、フルーツジュースやスムージ、デザート類などを提供しているお店もありました。
またマジックフードパークのすぐ近くにはコンビニ(セブンイレブン)がありますので、冷たい飲料やビールなどを別途購入したい人にとっても都合がよいでしょう。

この看板が目印です


いかがでしょう。 
タイのローカルなフードコートが空港内で再現された「マジックフードパーク(Magic Food Park)」。
国際線ターミナルからは少し離れますが、リーズナブルで気軽にローカルなタイ料理を味わうことができます。
時間に余裕のある旅行者のかたは、ぜひ一度寄ってみてください。

地図    Googleマップで確認する

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旅先で高熱にうなされた! 思いどおりにならない旅を乗り越えて旅人は少し強くなる

 

先月、原因のよく分からない高熱を出して、入院することになった。

発熱は39度を超えた。
ところが、熱が高いこと以外には、これといった目立った症状がなかった。
咳が出るわけでもない。
のどが痛いわけでもない。
ただ、とにかく熱だけが高いのである。

僕はもともと、めったに病院へ行かない。
多少の体調不良なら、「そのうち治るだろう」と考えてしまう。
しかし、今回は何日たっても熱が下がらなかった。
さすがにこれは普通ではないと思い、病院へ行ったところ、「不明熱」と診断され、そのまま入院することになった。

検査の結果、風邪やインフルエンザではなかった。
新型コロナウイルスでもなかった。
医師は血液検査などを行い、発熱の原因を詳しく調べてくれたが、結局、はっきりした原因は分からなかった。

おそらく、何らかのウイルスが体内に入り、それに対して身体の免疫が反応したのだろうということだった。

ウイルスは非常に種類が多い。
そのすべてを調べて、「このウイルスが原因だ」と特定するのは簡単ではない。
結局、一週間以上続いた高熱は、時間がたつにつれて少しずつ下がっていった。

今回のことで改めて感じたのは、高熱というものは、薬を飲めばすぐに解決するとは限らないということである。

そもそも、なぜ病気になると熱が出るのだろうか。

ウイルスや細菌などが体内に入ると、身体の免疫システムがそれを見つける。
そして、脳にある体温を調節する場所に「体温を上げろ」という指令が伝わる。
すると身体は体温を上げ、病原体と戦いやすい状態を作ろうとする。

つまり、発熱は単なる「身体の故障」ではない。
身体が病原体と戦うために起こしている、防御反応の一つなのである。

だからといって、39度を超えるような高熱を我慢すればいい、という話ではない。
高熱で食事ができなかったり、水分が取れなかったり、体力が大きく失われたりする場合には、医師の判断のもとで熱を下げることも必要になる。

ただし、解熱鎮痛剤は熱や痛みを一時的にやわらげるものであって、発熱の原因そのものを消してしまう薬ではない。

結局のところ、身体が病気と戦っている間は、十分に休み、必要な水分や栄養を取りながら、回復するのを待つしかない場合も多い。

「風邪を一発で治す薬はない」とよく言われるが、今回の入院で、その意味をあらためて実感した。

考えてみれば、これは今に始まったことではない。

僕は若いころ、いわゆるバックパッカーとして海外を旅行していた。
今から30年以上前、学生時代に中国の北京を旅行したことがある。

北京の冬は、とにかく寒かった。

東京の冬とは比べものにならないような寒さだった。
いま思えば、防寒対策が十分ではなかったのだろう。
旅行中に風邪をひき、それをこじらせてしまった。

そして、かなりの高熱が出た。

海外旅行中に高熱を出すというのは、かなり心細いものである。
日本でなら、具合が悪くなれば家に帰ることもできるし、いつもの病院へ行くこともできる。
しかし外国では、勝手がまったく違う。

どこに病院があるのかも分からない。
言葉も十分に通じない。
何か重大な病気だったらどうしよう、という不安もある。

それでも、できることは限られている。

水分を取る。
できる範囲で栄養を取る。
そして、とにかく寝る。

熱が下がるまで、身体を休ませるのである。

これも30年以上前の話だが、トルコのイスタンブールで、ある大学生の旅行者から興味深い話を聞いたことがある。

彼は東ヨーロッパを旅行している途中で風邪をひき、高熱を出してしまったという。

そこで彼が取った方法は、とても単純なものだった。

持っていた服を全部着こんで、とにかく寝たのである。

眠っている間に大量の汗をかく。
そして、起きたら水分を取り、また寝る。
それを何日か繰り返しているうちに、少しずつ熱が下がってきたという。

彼は、「風邪をひいたら、たくさん食べて、たくさん寝て、たくさん汗をかく。それが一番だ」と話していた。

もちろん、これはあくまで当時の旅行者の経験談であり、現在の医学的な治療法を否定する話ではない。
高熱が続く場合や、意識がおかしい、呼吸が苦しい、水分が取れないなどの症状がある場合には、無理をせず医療機関に相談するべきである。

それでも、バックパッカーたちの話には、旅の現実がよく表れていると思う。

旅先では、何かあってもすぐに病院へ行けるとは限らない。
だからこそ、自分の身体を休ませ、水分や食事を取り、回復するまでじっと待つという経験を、多くの旅人がしてきたのである。

タイのコンビニでは医薬品が購入可能

 

タイを旅行したときには、コンビニエンスストアで薬を買ったこともある。

タイでは、セブンイレブンなどのコンビニで、簡単な医薬品を購入できる。
僕が買ったのは風邪薬ではなく、食べ過ぎによる胃もたれの薬だったが、旅行中だったのでとても助かった記憶がある。
https://ponce07.com/be-careful-not-to-eat-too-much/

タイでは、解熱鎮痛剤や胃腸薬、下痢止めなど、旅行者にとって便利な薬が小分けで売られている。

タイ人の中には、少しくらい体調を崩しただけなら、すぐに病院へ行かず、市販の薬を使ってしばらく様子を見る人も多いという。

もちろん、症状が重ければ病院へ行く必要がある。
しかし、タイでは私立病院の医療費が高かったり、公立病院では患者が多く、長時間待たされたりすることもある。
そうした事情もあり、まず自分でできることをして、それでも治らなければ病院へ行くという考え方が生まれているのだろう。

バックパッカーの旅も、これと少し似ている。

旅先で病気になるのは、決して楽しい経験ではない。

高熱が出れば不安になる。
食欲もなくなる。
身体は重い。
知らない町の安宿で一人で寝ていると、普段なら気にならないことまで心配になってくる。

しかし、そんな経験も含めて旅なのだと思う。

旅には、美しい景色を見ることや、おいしいものを食べることだけではない。
道に迷ったり、だまされたり、荷物をなくしたり、体調を崩したりすることもある。

そして、そのたびに「どうすればこの状況を乗り越えられるか」を自分で考える。

若いころの僕は、旅先で高熱を出したとき、「もう二度とこんな思いはしたくない」と思った。
しかし、何とか乗り越えて日本へ帰ってくると、それもまた旅の思い出になっていた。

今回、50歳代になって原因不明の高熱で入院した。

さすがに今回は、若いころのように無理をするわけにはいかない。
身体が回復するまで、じっと休むしかなかった。

しかし、ベッドの上で過去の旅を思い出しながら、ふと気づいた。

旅人にとって大切なのは、病気にならないことではない。
病気になったとき、困ったとき、予定どおりにいかなくなったときに、どうやってそれを乗り越えるかということなのではないか。

旅先での病気はつらい。

けれども、それを乗り越えた経験は、次の旅への自信になる。
そして、それは旅だけでなく、人生そのものにも通じる。

若い旅人だったころ、熱にうなされながら一晩を過ごした経験も、今となっては自分の中に残っている。

旅とは、楽しい思い出を集めるだけのものではない。

思いどおりにならない出来事を一つずつ乗り越え、その経験を自分の力に変えていくことでもある。

そう考えると、旅先での病気さえも、旅人を少しだけ強くしてくれる「旅の授業」だったのかもしれない。

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タイ国鉄はどう変わるのか? レッドラインから読み解くSRTの未来図

 

前回、前々回ではタイの鉄道が抱えてきた負の側面にテーマを当ててきました。
そのような旧態依然とした体質と言われるタイ国鉄も、近年は改革が進んでいるように感じられます。
例えばレッドラインのように、既存の軌間(1000ミリ)でありながら高架・複線化・電化した新しい路線も生まれています。
このような新線の建設に伴い既存の路線の高架化が進み、踏切が徐々に減少しているのは安全管理の面で大きな前進であると感じます。
今回はタイ国鉄の描く将来のビジョンについて触れてみたいと思います。

タイ国鉄(SRT)は長年にわたり、老朽化した設備や慢性的な赤字体質などの課題を抱えてきました。
しかし近年は、大規模なインフラ整備や組織改革が進められており、従来の姿から大きく変わろうとしています。
結論から言えば、タイ国鉄は今後20年ほどの間に、現在とは大きく異なる近代的な鉄道へと変貌していく可能性が高いと言えるでしょう。

ただし、その変化は全国で一律に進むわけではありません。
バンコク首都圏を中心に整備が進む新しい鉄道網と、地方に残る従来型の路線が当面は共存することになりそうです。
そのため、タイの鉄道はしばらくの間、「新しい鉄道」と「昔ながらの鉄道」が併存する二層構造の時代を迎えると考えられています。

その象徴的な存在が、バンコク都市圏を走るレッドラインです。
レッドラインは、タイ国鉄が将来目指す鉄道の姿を先取りした路線と位置付けることができます。
レッドラインの特徴は、高架化によって踏切をなくし、複線化された線路で安定した運行を実現していることです。
また、電車による運行や高度な列車制御システム、バリアフリー設備なども導入されており、その姿は日本の都市近郊鉄道にも近いものとなっています。
タイ国鉄は今後、既存の近郊路線についても段階的にレッドライン方式へ更新していく方針を示しています。
ただし、予算や用地の確保といった課題があるため、まずはバンコク周辺から整備が進められ、全国への展開には長い時間が必要になる見込みです。

ドンムアン駅


踏切問題についても、大きな転換期を迎えています。
近年相次いだ重大事故を受けて、政府は踏切の安全対策を強化する方針を打ち出しています。
危険性の高い踏切については優先的に立体交差化を進めるほか、遮断機の自動化や道路信号との連携強化も進められています。
また、遮断機が完全に下りるまで列車を発車させないという新たな安全ルールも導入されています。

特にバンコク首都圏では、将来的に地上踏切をなくすことを目標としており、高架化や地下化が積極的に進められています。
しかし、地方には依然として手動踏切や警報機のない踏切も数多く残されており、全国的な安全水準の向上には相当な時間がかかると考えられています。

レッドラインの座席


さらに、タイ政府は鉄道を国家インフラの中核として位置付けており、高速鉄道の整備も重要な政策となっています。
現在、バンコクとナコンラチャシマーを結ぶ高速鉄道が建設中であり、将来的にはチェンマイ方面への延伸構想も検討されています。
また、ドンムアン空港、スワンナプーム空港、ウタパオ空港を結ぶ高速鉄道計画も進められています。

これらの高速鉄道が完成すれば、長距離旅客輸送の中心は在来線から高速鉄道へ移行していくことが予想されます。
その結果、在来線は都市近郊輸送や貨物輸送を担う役割がより強くなるでしょう。

貨物輸送についても、大きな変化が見込まれています。
タイ政府は現在、国内貨物輸送に占める鉄道の割合を大幅に引き上げることを目標に掲げています。
そのため、主要幹線の複線化や大型コンテナ施設の整備、新型機関車の導入などが進められています。
また、ラオス鉄道との接続強化によって、国際物流ネットワークの拡充も期待されています。

もっとも、貨物列車の本数が増えれば踏切事故のリスクも高まります。
そのため、貨物輸送の強化と踏切の安全対策は一体的に進める必要があります。

一方で、タイ国鉄そのものの組織改革も進行しています。
タイ国鉄は長年にわたり非効率な組織運営や財政難が問題視されてきました。
そこで政府は、鉄道資産を管理する部門と実際に列車を運行する部門を分離する改革を進めています。
すでにレッドラインについては専用の運行会社が設立されており、一部路線では民間企業の活用も進められています。

将来的には、日本のJRグループのように、インフラ管理と運行を分ける「上下分離方式」に近い仕組みへ移行する可能性もあると見られています。

このように、タイ国鉄は高架化・電化・複線化を進めながら、より安全で効率的な近代的鉄道への転換を目指しています。
一方で、地方には依然として単線・非電化・手動踏切を中心とした旧来型の路線が数多く残っており、その改善には長い年月が必要です。

今後、高速鉄道網の整備が進めば、長距離旅客輸送は高速鉄道が担い、在来線は近郊輸送や貨物輸送を中心とする役割へと変化していくでしょう。
しかし、踏切事故の問題については、都市構造やインフラ整備、安全基準などが複雑に絡み合った構造的課題であるため、短期間で完全に解決することは難しいと考えられます。

それでも、レッドラインに代表される新しい鉄道網の整備を見る限り、タイ国鉄は確実に近代化への道を歩み始めています。
今後数十年にわたり、その変化がどこまで全国へ広がっていくのかが注目されます。

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タイ・バンコクで踏切事故が相次ぐのはなぜか? 事故多発の背景と構造的問題を分析(その2)

タイで踏切事故が多発する背景を理解するためには、なぜタイの踏切が現在のような危険な構造になったのか、その歴史的な経緯を知る必要があります。
結論から言えば、タイの踏切問題は「鉄道が先に整備され、その後に急速に発展した道路交通や地域住民の生活動線に制度やインフラ整備が追いつかなかったこと」に起因しています。
さらに、安全基準の整備や設備投資の遅れも重なり、現在の状況が形成されたと考えられます。

タイで鉄道建設が始まったのは、19世紀末のラーマ5世(チュラーロンコーン王)の時代です。
当時は自動車交通がほとんど存在せず、鉄道は国家の重要な交通インフラとして位置づけられていました。
そのため、まず鉄道を建設し、その後に道路が線路を横断する際には踏切を設けるという考え方が一般的でした。
この点は、日本の明治から大正時代の鉄道整備とよく似ています。

しかし、日本ではその後、自動車交通の増加に合わせて安全基準の強化や高架化・立体交差化が進められました。
一方でタイでは、そのような安全対策が十分に進まず、多くの踏切が長年にわたり残されることになりました。

第二次世界大戦後、タイでは経済成長とともに自動車やバイクが急増しました。
鉄道沿線には集落や市場、工場などが発展し、人や車が線路を横断する機会も増えていきました。
しかし、新たな正式な踏切を整備するためには予算や手続きが必要であり、容易には対応できませんでした。

その結果、国が認可した正式な踏切だけでなく、地域住民が生活の利便性を優先して設けた非公式の踏切、いわゆる「勝手踏切」が各地に増加していきました。
こうした踏切には警報機や遮断機が設置されていない場合が多く、安全性に大きな問題を抱えていました。

タイ国鉄の資料によれば、全国約2,700か所の踏切のうち、およそ700か所が無許可の踏切とされています。
また、2005年から2021年までに発生した列車事故の約44%が、このような非公式踏切で発生したと報告されています。
つまり、地域住民の生活を支えるために作られた踏切が、結果として重大事故の温床にもなっていたのです。

踏切で列車とバイクが衝突 1人が死亡 踏切は閉鎖される(Thai PBS News 2026年5月24日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/506287

では、危険性が明らかであるにもかかわらず、なぜこうした状況が長年改善されなかったのでしょうか。
その理由の一つは、住民の生活との密接な関係にあります。
タイ国鉄や政府が無許可踏切の閉鎖を進めようとしても、「遠回りを強いられる」「商売に支障が出る」といった理由で住民の反発を招くことが少なくありませんでした。
中には、閉鎖された踏切の柵を住民が再び壊して通行できるようにしてしまう事例も報告されています。

また、財政面の問題も大きな要因でした。
タイ国鉄は長年にわたり慢性的な赤字を抱えており、安全設備の更新や立体交差化よりも、まず鉄道の運行を維持することが優先されてきました。
高架橋や地下道の建設には莫大な費用がかかるため、「必要性は理解しているが実現できない」という状況が続いていたのです。

首都中心部の鉄道踏切 交通ルート上の時限爆弾(Thai PBS News 2026年5月18日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/506043

さらに、安全基準そのものの整備も遅れていました。
2010年代に入るまで、どのような条件の踏切に遮断機を設置すべきか、どの程度の交通量で立体交差化を行うべきかといった体系的な基準は十分に整備されていませんでした。
そのため、「標識だけ設置する」「警報機はあるが遮断機はない」「係員が旗を振って注意を促すだけ」といった不十分な安全対策に頼るケースが多く見られました。

こうした歴史的経緯により、タイでは現在でも「標識のみ」あるいは「警報機のみ」の踏切が数多く存在しています。
つまり、列車の接近を知らせる設備はあっても、車両や歩行者を物理的に止める仕組みがない踏切が少なくありません。
これは、安全確保を人間の判断に大きく依存する構造であり、事故発生のリスクを高める要因となっています。

踏切内での駐停車は後を絶たない(Thai PBS News 2026年5月19日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/506075

また、道路側の安全対策も十分とは言えません。
夜間の視認性が低い場所や、減速帯や路面標示が不足している場所も多く、こうした道路設計上の問題が事故の深刻化につながっていると指摘されています。

さらに、踏切問題には複数の利害関係者が関わっています。
タイ国鉄は安全のために踏切を減らしたいと考えていますが、地方自治体は住民の利便性を重視し、住民自身もできるだけ近い道を利用したいと考えています。
そのため、危険性を認識しながらも完全には解消できない踏切が全国に残されているのです。

高架化されたドンムアン駅(2026年1月 筆者撮影)

もっとも、近年は状況が変わりつつあります。
タイ政府とタイ国鉄は、無許可踏切の閉鎖や迂回路の整備を進める方針を打ち出しています。
また、交通量の多い踏切については高架橋や地下道による立体交差化を進める計画も進行中です。
さらに、複線化事業や高速鉄道、新しい都市鉄道では原則として踏切を設けず、高架化を前提とした整備が進められています。

このように、タイの踏切が危険な構造になった背景には、鉄道が先に整備され、その後の急速な道路交通の発展や地域社会の変化に制度やインフラが追いつかなかったという歴史があります。
そして、その問題を十分に解決できないまま長年放置されてきた結果、現在のような状況が生まれました。
近年になってようやく本格的な改善が始まったものの、100年以上にわたって積み重なった課題を解決するには、今後も長い時間と継続的な投資が必要になるでしょう。

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タイ・バンコクで踏切事故が相次ぐのはなぜか? 事故多発の背景と構造的問題を分析(その1)

バンコクでは踏切事故が繰り返し発生しています。
先月の16日にマッカサン地区で、踏切上に停車していた路線バスに貨物列車が衝突し、8人が死亡、32人が負傷する大事故が起きました。
さらにその翌週には、バイクで踏切を横断しようとした女子学生が貨物列車と衝突し、その場で死亡する事故も発生しています。
まずは、このたびの事故に際しまして、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

マッカサンで貨物列車と路線バスが衝突(Thai PBS News 2026年5月16日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/505974

さて、このような踏切事故が相次いでいる原因はどこにあるのでしょうか。
各種の報道を分析すると、その背景には都市構造の問題、交通事情、鉄道インフラの整備の遅れ、そして人的要因などが複雑に絡み合っていることが見えてきます。

まず大きな要因として挙げられるのが、バンコク特有の都市構造と深刻な交通渋滞です。
市内には踏切のすぐ先に信号が設置されている場所が少なくありません。
そのため、赤信号によって車列が滞ると、車両が踏切内に取り残される危険があります。
今回のマッカサンでの事故でも、踏切を渡った直後の交差点で渋滞が発生し、バスが線路上で立ち往生したことが事故の直接的な原因とされています。
つまり、現在の交通量に対して踏切の構造が十分に対応できておらず、事故が発生しやすい環境が長年放置されてきたと考えられます。

また、踏切設備そのものにも問題があると指摘されています。
報道によれば、遮断機が正常に作動しなかった可能性や、依然として手動操作に頼っている踏切が多いことが明らかになっています。
さらに、車両が線路上に残っている場合には、遮断機が物理的に下りられないケースもあります。
今回の事故後、タイ政府は「遮断機が完全に下りるまで列車を発車させてはならない」という新たなルールを導入しました。
これは裏を返せば、これまで遮断機が十分に機能していなくても列車が運行される場合があったことを示しています。

列車運転手の薬物検査 結果は陽性であることが判明(Thai PBS News 2026年5月17日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/506014

列車の運行体制にも問題が見られました。
マッカサンでの事故では、貨物列車の運転士から薬物反応が検出されたほか、必要な資格を十分に取得していなかった疑いも報じられています。
こうした事態を受けて、政府は鉄道やバスの運転士に対し、薬物検査やアルコール検査をより厳格に実施する方針を打ち出しました。
これは、これまで運転士に対する管理体制が十分でなかったことを示していると言えるでしょう。

列車の運転士 免許を所持していなかった疑い(Thai PBS News 2026年5月20日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/506131

その一方で、道路交通の側にも課題があります。
事故を起こしたバスの運転士については、踏切内に進入すべきではない状況で進入したのではないかとの指摘がなされています。
タイでは以前から、踏切で無理な横断を行ったり、危険を承知で進入したりするケースが少なくないという意見もありました。

翌週に発生した女子学生の死亡事故も、そのような問題を象徴していると考えられます。
タイでは二輪車利用者が非常に多く、車の間をすり抜けながら走行する習慣も一般的です。
そのため、警報が鳴り始めたり遮断機が下り始めたりしても、無理に踏切を渡ろうとする行動が見られます。
さらに、遮断機や警報設備への信頼性が十分でないことも、危険な行動を助長している可能性があります。

列車運転士免許発行の迅速化と厳格な薬物検査を実施(Thai PBS News 2026年5月19日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/506108

また根本的な問題として、鉄道インフラの整備の遅れも挙げられます。
タイ政府自身も、踏切を減らして鉄道の高架化や地下化を進める必要性を以前から認識しています。
しかしながら、予算不足や用地取得の困難さ、鉄道設備の老朽化、国鉄の慢性的な財政難などにより、危険な踏切が長年残されたままとなっている現状があります。

国鉄元総裁 交通規律の欠如と人為的ミスを指摘(Thai PBS News 2026年5月19日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/506100

加えて、制度面にも課題があります。
踏切の運用が人の判断に大きく依存していること、運転士に対する薬物・アルコール管理が不十分であること、鉄道と道路交通の連携が十分でないこと、安全基準や監督体制が必ずしも厳格ではないことなどが指摘されています。
事故後、タイ政府は「鉄道の安全基準を航空業界並みに引き上げる」と表明しましたが、これは従来の安全管理体制に改善の余地が大きかったことを示していると言えるでしょう。

このように、バンコクで踏切事故が多発する背景には、都市構造上の問題、インフラ整備の遅れ、運転士や利用者の危険な行動、行政による安全管理の不十分さ、そして鉄道と道路交通の連携不足など、複数の要因が重なっています。
言い換えれば、「いつ重大事故が発生してもおかしくない状況」が長年にわたって続いていたと言えるのかもしれません。

運輸省 列車運転士に対する厳格な検査を命じる(Thai PBS News 2026年5月18日より)

https://www.thaipbs.or.th/news/content/506044

今回の事故を受けて、タイ政府は薬物検査の強化やアルコールチェックの徹底、遮断機の作動確認後の列車運行、信号機と踏切設備の連携強化、高架化・地下化の推進など、さまざまな安全対策を打ち出しています。
しかし、都市設計やインフラ整備といった構造的な問題の解決には多額の予算と長い時間が必要です。そのため、事故防止に向けた取り組みは進むと考えられるものの、短期間で踏切事故が完全になくなるとは言い難いのが現状です。

 

 

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日本の名車キハ40系がタイで再デビュー KIHA40 จากญี่ปุ่น สู่ชีวิตใหม่ในไทย

 

ゴールデンウイーク期間中は、旅行に出かけられたかたも多かったのではないでしょうか。
僕自身も旅行が好きで、とりわけ鉄道を使った旅行にたいへん興味を持っています。
これまでも、このブログでは鉄道にまつわる話題を多く取り上げてきたところです。
日本のローカル線で長年親しまれてきた列車に「キハ40系気動車」があります。
名前を聞いたことのない人でも、その姿に見覚えのある人は多いのではないでしょうか。
そのくらい日本の地方都市ではよく見られた形式の列車でした。
そんなキハ40系が海を越えて、タイ国鉄でデビューしたという話題を最近になって聞きました。
高い品質を持ち日本で長年活躍してきたキハ40系が、海外で第二の人生を歩み始めたという、私たち日本人にとっては誇らしいニュースでもあります。
今日はキハ40系の歴史を少し振り返ってみます。

国鉄キハ40系気動車(Wikipediaより)


キハ40系が生まれた背景
キハ40系とは1970年代から導入されたディーゼルカー(エンジンで走る列車)です。
当時の日本国有鉄道(国鉄)は、地方の非電化路線で使う車両に悩んでいました。
それまで使われていた気動車は、古くて乗り心地が悪いうえに冬の寒さ(特に東北・北海道)に弱いという欠点がありました。
そこで国鉄は、「丈夫で、寒さに強くて、全国どこでも使える標準型車両」を目指して開発を進めました。
そして1977年に登場したのが「国鉄キハ40系気動車」でした。
構造はとてもシンプルで、頑丈で壊れにくく、寒冷地でも使える強力な暖房・耐雪構造を持ち、乗り降りしやすいドア配置という特徴がありました。
またコストを抑えた車両もでもありました
つまり、「派手さより実用性」を重視した車両だったのです。

キハ47形・キハ48形の違い
キハ40系には用途に応じてバリエーションがありました。
キハ40形はエンジン1基で主にローカル線向けのもっともベーシックなタイプです。
これに対しキハ47形はエンジンが2基でパワーを強化したタイプで、勾配の多い地域や輸送量が多い路線で使われました。
またキハ48形はキハ40形をベースに寒冷地仕様に改良され、北海道や東北で多く使われました。
キハ47形やキハ48形は場所や路線条件に合わせて性能を調整した改良形というような位置づけの車両だったのです。

民営化後の変化(JR時代)
1987年に国鉄が分割民営化され、JRグループに引き継がれます。
この後、各社ごとに改造やリニューアルが進みました。
例えば、座席の改善といった内装の更新や冷房化、あるいは観光列車への改造などが行われています。
特に地方では新車を大量に導入するのが資金的に難しかったため、古いけど使えるキハ40系を改造して使い続けるという流れが続きました。
近年では、単なるローカル列車だけでなく、「味のある車両」として観光列車にも活用され、レトロな雰囲気が逆に人気になっているようです。

長く使われた理由
キハ40系は驚くほど長寿の車両です。
その理由はいたってシンプルで、頑丈で壊れにくく、構造が単純で修理しやすかったこと、 全国どこでも使える汎用性があったことによります。
結果として40年以上も現役で走る車両が多数出るという、日本の鉄道でもかなり珍しい存在になりました。

現在の状況(2020年代)
現在、キハ40系は少しずつ引退が進んでいます。
40年以上使われましたので、さすがに老朽化は進んでいます。
また燃費が良くない、バリアフリー対応が難しいといった側面もありました。
そのため、新しい車両に置き換えられています。
JR東日本ではキハ40系気動車の置き換えを目的に新造されたGV-E400系気動車があります。
ディーゼルエンジンの動力で発電した電力で主電動機を駆動する、ディーゼル・エレクトリック方式の電気式気動車で、燃費性能は従来のキハ40系と比較すると約2割向上したと言われています。

YC1気動車(JR九州)の外観 2026年4月筆者撮影


僕の住んでいる長崎県でも、かつてはキハ40系が多く使われていましたが、現在はYC1系気動車に置き換わっています。
ディーゼル・エレクトリック方式の採用と蓄電池の併用により省エネと効率化の両立を目指した車両で、こちらもキハ40系に比べて燃費性能は約2割向上したと言われています。

YC1気動車(JR九州)の内装 2026年4月筆者撮影


それでもキハ40系が完全に消えていないのは、地方路線ではまだ十分使える、新車導入コストが抑えたい、あるいは部品や整備ノウハウが蓄積されているといった事情があります。
また一部は海外へ輸出され、タイやミャンマーなどで第二の人生を送っている車両もあります。

キハ40系は、日本の地方鉄道を支え続けた名車両です。
1970年代に「使いやすさ重視」で登場し、全国で長く使われ、国鉄の民営化後も改造されながら活躍してきました。
現在は世代交代のさなかにあるものの、まだ一部は現役で活躍しています。

KIHA 40_48 รถไฟจากญี่ปุ่น เปิดทดลองวิ่ง Feeder ดอนเมือง-อยุธยา ถึง 31 ต.ค. _ Thai PBS News より


以下の記事は、今回タイでの再デビューの実現を紹介したニュース記事になります。(Thai PBS News 2026年4月20日より)
KIHA 40/48 รถไฟจากญี่ปุ่น เปิดทดลองวิ่ง Feeder ดอนเมือง-อยุธยา ถึง 31 ต.ค.
日本発のKIHA 40/48列車 ドンムアンとアユタヤ間のフィーダーサービスとして10月31日まで試験運行を行う

รฟท.เปิดเดินรถโดยสารชานเมือง (Feeder) รุ่น KIHA 40 และ KIHA 48 ที่ได้รับมอบจากบริษัท JR East ประเทศญี่ปุ่น เส้นทางดอนเมือง–อยุธยา ไป-กลับ 6 เที่ยว/วัน เริ่ม 20 เม.ย.–31 ต.ค.นี้ ค่าโดยสาร 30-50 บาท

ลองจินตนาการถึงการเดินทางที่ไม่ต้องเร่งรีบ ไม่ต้องกังวลรถติด แต่ได้ปล่อยกายสบายๆ บนขบวนรถไฟ พร้อมวิวสองข้างทางที่ค่อยๆ เปลี่ยน นี่คือประสบการณ์ใหม่ที่การรถไฟฯ กำลังทดลองให้คนไทยได้สัมผัส

วันนี้ 20 เม.ย.2569 การรถไฟแห่งประเทศไทย (รฟท.) เปิดทดสอบเดินรถเสมือนจริง ของขบวนดีเซลรางปรับอากาศ KIHA 40 และ KIHA 48 ที่ได้รับมอบจากบริษัท JR East ประเทศญี่ปุ่น โดยนำมาปรับโฉมใหม่ให้ทันสมัยขึ้นในทุกมิติ ทั้งความสะดวกสบาย ความปลอดภัย แต่ยังคงกลิ่นอายความคลาสสิก สร้างประสบการณ์การเดินทางรูปแบบใหม่ให้แก่ผู้โดยสาร

เส้นทางนำร่อง “ดอนเมือง-พระนครศรีอยุธยา” ถูกออกแบบให้เป็นขบวนรถโดยสารชานเมือง (Feeder) เพื่อเชื่อมต่อการเดินทาง อำนวยความสะดวกประชาชนในการเชื่อมต่อกับระบบรถไฟฟ้าชานเมืองสายสีแดง และท่าอากาศยานดอนเมือง เหมาะทั้งสายทำงานและสายเที่ยวที่อยากเปลี่ยนบรรยากาศจากการขับรถ มาเป็นการนั่งรถไฟ และ เป็นทางเลือกเพื่อลดค่าใช้จ่ายด้านเชื้อเพลิงในการขับรถยนต์ในช่วงวิกฤตพลังงาน

โดยในวันนี้ เริ่มเปิดให้บริการในเส้นทาง ดอนเมือง – อยุธยา – ดอนเมือง ค่าโดยสารเริ่มต้น 30 – 50 บาท

ในช่วงแรกจะเปิดให้บริการในวันจันทร์–วันศุกร์ แบบไป–กลับ รวม 6 ขบวนต่อวัน เป็นระยะเวลา 6 เดือน ตั้งแต่วันที่ 20 เม.ย. ถึง 31 ต.ค. 2569 โดยกำหนดจุดหยุดรับ–ส่งผู้โดยสารรวม 8 สถานี และที่หยุดรถ 1 แห่ง ได้แก่ สถานีดอนเมือง สถานีรังสิต สถานีเชียงราก ที่หยุดรถมหาวิทยาลัยธรรมศาสตร์ สถานีเชียงรากน้อย สถานีคลองพุทรา สถานีบางปะอิน สถานีบ้านโพ และสถานีพระนครศรีอยุธยา

อย่างไรก็ตาม การเปิดให้บริการดังกล่าวเป็นการทดลองเดินรถในระยะแรก โดย รฟท. จะติดตามและประเมินผลอย่างใกล้ชิด หากมีปริมาณผู้ใช้บริการเป็นไปตามเป้าหมาย รฟท. เตรียมแนวทางพัฒนาและขยายรูปแบบการให้บริการเพิ่มเติมในอนาคต เพื่อให้สอดคล้องกับความต้องการของประชาชน พร้อมมุ่งหวังให้ขบวนรถดังกล่าว เป็นอีกหนึ่งทางเลือกสำคัญที่ตอบโจทย์ทั้งการเดินทางประจำวันและการท่องเที่ยวได้อย่างมีประสิทธิภาพ

タイ国鉄は、日本のJR東日本から譲渡されたKIHA40形およびKIHA48形を使用した近郊列車(フィーダー列車)の運行を開始した。ドンムアン〜アユタヤ間を1日往復6便運行し、2026年4月20日から10月31日まで実施される。運賃は30〜50バーツ。

渋滞の心配もなく、時間に追われることもなく、ゆったりと列車に身を任せながら、車窓の景色がゆっくりと移り変わっていく——そんな旅を想像してみてほしい。これは、タイ国鉄がタイの人々に提供しようとしている新しい移動体験である。

2026年4月20日、タイ国有鉄道は、日本のJR東日本から譲り受けた冷房付きディーゼルカーKIHA40形およびKIHA48形の試験運行を開始した。これらの車両は、快適性や安全性を向上させるなど、あらゆる面で現代的にリニューアルされている一方で、クラシックな雰囲気も残されており、乗客に新しい旅行体験を提供することを目指している。

試験路線である「ドンムアン〜アユタヤ」は、近郊輸送(フィーダー)列車として設計されており、通勤・通学客の利便性向上を図るとともに、レッドライン近郊鉄道やドンムアン空港との接続を担う。自動車移動から鉄道へと移行したい人や、エネルギー危機の中で燃料費を節約したい人にとっても適した選択肢となる。

現在、ドンムアン〜アユタヤ間で運行されており、運賃は30〜50バーツである。

運行は当初、月曜日から金曜日までの平日に限定され、1日あたり往復6本、期間は2026年4月20日から10月31日までの約6か月間。停車駅は合計8駅と1つの停留所で、ドンムアン駅、ランシット駅、チェンラック駅、タマサート大学停留所、チェンラックノイ駅、クロンプッタ駅、バンパイン駅、バーンポー駅、そしてアユタヤ駅となっている。

なお、この運行はあくまで試験的なものであり、タイ国鉄は利用状況を綿密に観察・評価する予定である。利用者数が目標に達した場合には、今後さらにサービスの拡充や発展を検討し、日常の移動から観光まで幅広く対応できる重要な交通手段として育てていく方針である。

アユタヤ駅 朝の風景

 

 

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クラビのローカルに愛される名店(その3)コースアン(ร้านอาหารโกส้วง)

 


クラビタウンの日常に溶け込む、安心のおいしさ
「コースアン(ร้านอาหารโกส้วง)」

クラビタウンの中心にあるプーダム市場。
そのすぐ近く、歩いて2分ほどの場所に、地元の人々に長く愛されている食堂「コースアン」があります。
黄色い看板が目印の、どこか懐かしさを感じるたたずまいのお店です。

観光客向けというより、地元の暮らしの中に自然に溶け込んだようなお店で、朝7時から午後3時までの営業です。
僕が訪れたのはお昼の正午ころでしたが、すでに店内はほぼ満席で、家族連れや友人同士のグループが楽しそうに食事をしていました。
まるで地元の生活の一部をそっと覗かせてもらっているような温かさがあります。

店員さんは気さくで、初めて訪れた僕にもにこやかに声をかけてくれ、すぐにテーブルへ案内してくれます。
こうした温かい雰囲気は、旅先での食事をより心地よいものにしてくれます。

“定番のタイ料理”が、こんなに嬉しい
コースアンの魅力は、なんといってもタイ料理の定番がしっかり揃っていること。
カオマンガイ(ข้าวมันไก่・鶏のダシで炊いたご飯の上に茹で鶏肉を乗せ食べるタイの国民的屋台料理)、クイッティアオ(ก๋วยเตี๋ยว・米粉麺)、カオムーデーン(ข้าวหมูแดง・焼き豚のせご飯)など、日本人にも馴染みのあるメニューがずらりと並びます。

この日は、まずカオマンガイとクイッティアオ・ナーム(ก๋วยเตี๋ยวน้ำ・汁あり米粉麺)を注文。
テーブルにはタイの食堂でおなじみの調味料セットが置かれていましたが、驚いたのは「何も足さなくても十分においしい」ということ。
鶏の旨みがしっかり感じられるカオマンガイは、しっとりとした肉質で、噛むほどに優しい甘みが広がります。

カオマンガイ(ข้าวมันไก่)


クイッティアオのスープは澄んだ味わいで、朝でも昼でもすっと身体に入ってくるような軽やかさ。
麺の喉ごしもよく、気づけばスープまで飲み干してしまいそうでした。

クイッティアオ・ナーム(ก๋วยเตี๋ยวน้ำ・汁あり米粉麺)


店頭には鶏肉やアヒル肉が吊るされていて、見た瞬間に「ここは鶏料理が間違いない」と確信しました。
実際、その期待を裏切らない味わいでした。

翌日も自然と足が向くおいしさ
あまりに心地よい食堂だったので、翌日も再訪。
今度はクイッティアオ・ヘーン(ก๋วยเตี๋ยวแห้ง・汁なし米粉麺)を注文しました。
付け合わせのライムを絞り、粉唐辛子を少し加えます。
混ぜるほどに香りが立ち、具材と麺がよく絡み、食べ進める手が止まりません。
こちらも上々のおいしさで、どのメニューを選んでもハズレがないという口コミの多さにも納得です。

クイッティアオ・ヘーン(ก๋วยเตี๋ยวแห้ง・汁なし米粉麺)

 

毎日でも通いたくなる“日常のごはん”
ここコースアンは、派手さはないけれど、旅の途中でふと恋しくなる“ほっとする味”に出会える場所です。
50バーツからという良心的な価格も魅力で、地元の人々が毎日のように通う理由がよくわかります。

観光の合間に、クラビの暮らしに少し触れてみたいとき。
気取らない、でも丁寧に作られたタイ料理を味わいたいとき。
そんなときにぴったりのお店です。

この店は僕にとって、クラビでの定番にしたい一軒になりました。
行列ができるのも納得の安定したおいしさと、温かい接客。
次に訪れるときは、また違うメニューを試してみたくなります。
きっとどれを選んでも、変わらぬ安心感で迎えてくれるはずです。

★基本情報
コースアン(ร้านอาหารโกส้วง)
所在地   92/27 Vicar Rd, Pak Nam, Mueang Krabi District, Krabi
地図    Googleマップで確認する

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クラビのローカルに愛される名店(その2) ラーチャロット ディムサム(ร้านอาหารราชรสติ่มซำ)

 

早起きしていつもより少しだけ幸せなスタートを
「ラーチャロット ディムサム(ร้านอาหารราชรสติ่มซำ)」

クラビタウンの朝は、少し早起きするだけで特別なご褒美に出会える街です。
その象徴のようなお店が「ラーチャロット ディムサム(ร้านอาหารราชรสติ่มซำ)」。
黒いカニのオブジェから北へ歩いて6分ほど。
まだ空気がひんやりとした早朝でも、店先にはすでに湯気と活気が満ちています。
開店はなんと朝5時半。
僕が訪れたのは比較的早い時間でしたが、すでにほぼ満席で、地元の方々の信頼の厚さを肌で感じました。

南タイの朝を彩る、せいろの香り
クラビを含むタイ南部では、朝に飲茶を楽しむ文化が根付いています。
このお店もその伝統を大切にしていて、店先にはずらりと並んだせいろが圧巻。
エビシューマイや白身魚の点心など、海の恵みを中心にした品々が並び、どれも色鮮やかで選ぶのが楽しくなります。

好きな点心を自分で選び、店員さんに渡すと、蒸し立ての熱々の状態でテーブルに運ばれて来ます。
湯気とともに立ち上る香りは、朝の身体をそっと目覚めさせてくれるようで、思わず深呼吸したくなるほど。

点心だけじゃない、心に残る一杯
点心のほかにもメニューがあり、今回は気になっていた「バクテー(บักกุ๊ดเต๋)」を注文しました。
中国語で「肉骨茶」と書くこの料理は、マレーシアの華僑が伝え、タイに根付いたもの。
漢方や香辛料、醤油でじっくり煮込まれたスペアリブは、箸を入れた瞬間にほろりと崩れる柔らかさで、思わず目を見張りました。
スープは濃厚でありながら重たさはなく、身体の奥からじんわり温まるような深い味わい。
これまでに食べたどの豚肉よりも柔らかく、豊かな香りが広がり、朝からこんな贅沢をしていいのかな…と心がふわりとほどけていきます。

これが「バクテー(บักกุ๊ดเต๋)」


「どれを選んでも間違いない」その言葉の意味
点心はどれも丁寧に作られていて、海鮮の旨みがしっかり感じられます。
蒸し立ての皮はつるりと滑らかで、具材の味を優しく包み込んでくれるよう。
どれを選んでもハズレがないという口コミの多さにも納得です。
ただし、あれもこれもと選んでしまいがちなので、頼みすぎには少し注意が必要かもしれません。
気がつけばテーブルいっぱいにせいろが並んでしまう…そんな魅力のあるお店です。

クラビの朝を楽しむなら、ここは外せない
地元の人々に愛され、観光客にも人気の「ラーチャロット ディムサム」。
行列ができるのも当然と思える満足度で、僕自身も「次はもっと早く来て、別の点心も試したい」と思わず再訪を決めてしまいました。
クラビタウンで過ごす朝に、温かい湯気と優しい味わいに包まれるひとときを求めるなら、ぜひ足を運んでみてください。
きっとその一日は、いつもより少しだけ幸せなスタートになるはずです。
みなさんも点心の中で特に気に入ったものがあれば、ぜひ教えてくださいね。

★基本情報
ラーチャロット ディムサム(ร้านอาหารราชรสติ่มซำ)
所在地   289 15 Utarakit Rd, Pak Nam, Mueang Krabi District, Krabi
地図    Googleマップで確認する

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クラビのローカルに愛される名店(その1) 「Go Deng Thai Noodles(ร้านก๋วยเตี๋ยวโกเด้ง)」

 

旅先で心に残るのは、観光地の絶景だけではありません。
ふと立ち寄った食堂で出会う、地元の人たちの笑顔や、湯気の向こうに漂う暮らしの匂い。
そんな“日常の味”こそ、旅を豊かにしてくれる大切なエッセンスではないかと思います。

今回から3回に分けて、クラビで実際に訪れて心からおすすめしたい、「ローカルの人が本当に通う3つの名店」を紹介いたします。
どのお店も気取らず、やさしく、そして確かな美味しさで迎えてくれる場所ばかりです。

 

アオナンの奥にひっそりたたずむ心ほどける一杯
「Go Deng Thai Noodles(ร้านก๋วยเตี๋ยวโกเด้ง)」

クラビ県アオナン。
観光客で賑わうビーチから少し離れた場所に、地元の人々がこぞって通う小さな名店があります。
その名も「Go Deng Thai Noodles(ร้านก๋วยเตี๋ยวโกเด้ง)」。
ビーチからは徒歩で20分ほど。
少し距離はありますが、訪れる価値は十分にあります。

店はここから徒歩で20分ほどのところにあります


開店は午後3時。
その時間の少し前に僕が訪れたときには、すでに何人もの若いお客さんが並んでいて、地元での人気ぶりがうかがえました。
まるで「今日もあの味に会いに来たよ」と言わんばかりの穏やかな熱気。
観光地の喧騒とは違う、地元の暮らしのリズムがそこにはありました。

僕がいただいたのは「ก๋วยเตี๋ยวน่องไก่(鶏もも入りヌードル)」の特盛り。
たった70バーツとは思えないほどのボリュームで、まず目を引くのは大きな鶏もも肉。
箸を入れると、ほろほろと崩れるほど柔らかく、じんわりとした旨みが口いっぱいに広がります。

ก๋วยเตี๋ยวน่องไก่(鶏もも入りヌードル)特盛


スープは鶏と醤油をベースにした、ほんのり甘みのある優しい味わい。
日本人の舌にもなじみやすく、どこか懐かしさを感じるような風味です。
テーブルには粉唐辛子やナンプラーなどの調味料が並び、自分好みに味を調整できるのもタイならではの嬉しいポイント。
辛党の人でも問題ありません。

麺は平打ちの米粉麺で、つるりとした喉ごしが心地よく、スープとの相性も抜群。
特盛りにしたこともあり、食べ終えた頃にはお腹も心もすっかり満たされていました。
最後の一滴まで飲み干したくなる、そんな一杯です。

Googleの口コミでも高評価が並び、「クラビで一番好きな麺屋さん」「並んでも食べたい味」といった声が多く見られます。
リピーターが多いのも納得の、クセになる美味しさ。
僕自身も、次回クラビを訪れる際には必ず再訪したいと思っています。

右の紙皿は鶏の骨を入れるためのもの


アオナンの観光地価格に少し疲れたときは、地元の人々が愛する味に触れてみるのはいかがでしょうか。
「Go Deng Thai Noodles」は、そんな心の休息をくれる場所です。

★基本情報
Go Deng Thai Noodles(ร้านก๋วยเตี๋ยวโกเด้ง)
所在地   Thailand, 238 4203, Ao Nang, Mueang Krabi District, Krabi
地図    Googleマップで確認する

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