そば屋のAさんとそば屋のBさん その3

さてここまで読んでいただいたみなさまは、どのような感想をお持ちでしょうか。
あなたはAさんの立場をとりますか?
それともBさんの立場をとりますか?

実はこの寓話を、以前知り合いだった東南アジア出身(タイ人とベトナム人)の学生にしたことがあります。
「君だったらどっちの立場が正解だと思う?」
2人とも答えに窮していましたが…
どちらが正解ということはありません。
必要なのは、AさんBさんの両方です。
どっちも必要なのです。
どちらか一方のみに偏ってはうまくいきません。
それから先は、個人の選択です。
「どちらかと言えばAさんに近い」とか「どちらかと言えばBさんかな」という風に考えるのが自然な気がします。
タイ人がよく言う言葉に「道の真ん中を歩め」というのがあります。
これはもちろん物理的に道路の真ん中を歩けという危ない話ではありません。
「何事も中庸を重んじるべし」という意味なのです。
件の学生が留学を終えて帰国する時に、この話のことをよく覚えていてくれました。
そのベトナム人の彼女は帰国してから、さらに勉強を続けて、再来日して東京で就職したと聞きました。
いまは何をしているのかわかりませんが、きっと中庸を重んじて、バランス感覚を持って仕事をしているのではないかと思います。

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