そば屋のAさんとそば屋のBさん その2

一方のBさんはどうしたのでしょうか。
Bさんはどこに店を開いたのでしょうか。
Bさんが開いたそば屋は街の真ん中にありました。
それも駅の中でした。
ターミナル駅だけあって、いつも人々であふれています。
Bさんの店も、お客さんが絶えることはありません。
いつ行っても混雑しています。
当然ながら、その店では手打ちのそばは提供できません。
製麺所の機械で大量生産されたそばを、店のお湯にくぐらせて、手早く盛りつけるだけです。
それでもBさんの店はいつも人手不足で、たくさんのパート従業員を雇っていました。
そのうえ大型の厨房器機をたくさん動かしながら、切れることのない注文にこたえています
頭のなかにあるのはいつも資金繰りのことばかりでした。
店のテナント料や光熱水費、厨房機器のローン返済、パートの雇用と賃金の支払いなど…
お店の売り上げは相当にあるのですが、支払いも多いのです。
明けても暮れてもカネ、カネ、カネ…
やがてBさんはそば作りのことは考えず、金儲けのことだけを考えるようになったのです。
いまのBさんにとっては、金儲けになるのであれは、別にそばでなくてもカレーでも牛丼でもよかったのです。

そば屋のAさんとそば屋のBさん その3
https://ponce07.com/sobayano-a-san-03/

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