白い道 その16

タイを発つ日の朝になった。
午前中に病院での診察を受け、手術に問題ないことが告げられた。
関係者に礼を言って病院を後にした。
少し早めの昼食のあと、ホテルの関係者のクルマで空港に向かう。
途中、車窓から賑やかな観光地や真っ青な海岸が見えた。
プーケットは有名なリゾート地なのだ。
滞在していたのはリゾート地とは無関係の下町界隈だった。
一般の観光客が立ち入ることのないエリアで過ごしたことになる。
でもそれがかえって記憶に残る良い経験になったと思う。
当初の予定をキャンセルしたので、帰国の航空券は改めて買いなおすことになってしまった。
プーケットの空港からバンコクのドンムアン空港へ向かう。
少し休憩してから、両親を成田行きに乗せる。
ペースメーカーを入れているのでセキュリティチェックの時は注意するよう、タイ語のメモを記しておく。
成田での出迎えは、東京に住む姉に頼んだ。
両親のチェックインが済んでから、僕自身の帰国になる。
ドンムアン空港からスワンナプーム空港に移動して、そこから福岡行きの便に乗る。
飛行機が動き出したとき、時計の針は午前0時を回っていた。
飛び立つ飛行機の車窓から、バンコクの街の明かりが見えた。
その「事件」なければ、立ち寄るはずだったのだけれど…
しかし「事件」があったおかけで、たくさんのことを知ることができた。
たくさんの貴重な経験ができた。
たくさんの人情を知ることができた。
街の明かりが滲んで見える。
その瞬間、今回の旅行中に出会ったたくさんの顔が脳裏に浮かんで来た。

白い道 エピローグ
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