深夜の郊外の道を疾走する。
一般道を時速80キロ超えのスピードで走っている。
汗が流れるのがわかる。
着いたのは3時頃。
親父をのせた救急車はまだ到着していない。
早速事務員がやって来る。
いくつもの書類にサインを求められる。
基本的にタイ語になる。
それからすぐに請求が来る。
当然に前金(保証金)になる。
概ねの治療内容が伝わっているのだろう。
金額が大きかった。50万バーツだった。
その時のレートは1バーツ約3.45円。
それだけの額の現金を持ち歩いている人は稀だろう。
「クレジットカードは使えますか?」
「もちろんです」
ところがそのカードが通らない。
リーダーに何度通してもエラー音が出る。
原因はすぐにわかった。「枠の問題だ」
金額が大き過ぎて、カードの利用限度額をオーバーしているのだ。
普段からクレジットカードを使っているが、大抵は日用品や食品などをスーパーで買うような使いかたなので、利用限度額を意識することはなかった。
事務員に請求書を分割してもらう。
3枚に分けてやっと通すことができた。
親父を乗せた救急車は、僕らより1時間遅れで到着した。
すぐさま集中治療室に送り込まれた。
空が明るくなっていた。
一睡もしていなかった。
白い道 その11
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