ขี้ 人の性格を表すことば

ขี้  

この単語は、元々は「糞」「滓(かす)」「屑(くず)」を意味します。

とても上品なことばとは言えないのですが、日常会話の中では頻繁に使われています。

たとえば…

ขี้+ตา〈ตา=眼〉→ ขี้ตา目くそ

ขี้+มูก〈มูก=鼻からの分泌物〉→ ขี้มูก鼻くそ 

ขี้+หู〈หู=耳〉→ ขี้หู耳くそ 

ขี้+กบ〈กบ=カンナ 物を削る道具〉→ ขี้กบカンナくず 

ขี้+เลื่อย〈เลื่อย=のこぎり〉→ ขี้เลื่อยおがくず

というように使われます。

 

ところが この「ขี้」 に動詞や修飾詞がつくと、人の性格を表すことばになります。

決して上品とは言えないこの「ขี้」という単語が、「…する傾向がある」「…しがちな」という意味として使われるのです。

といっても、どちらかというと、おもに人の良くない習性を表すことが多いような気がします。

ขี้+โกง〈โกง=不正な〉 → ขี้โกงずるい

ขี้+เกียด〈เกียด=なまける〉 → ขี้เกียด怠惰な

ขี้+โกหก〈โกหก=うそをつく〉 → ขี้โกหกうそつきの

ขี้+ขลาด〈ขลาด=臆病な〉    → ขี้ขลาด臆病な

ขี้+ฉ้อ〈ฉ้อ=詐取する〉 → ขี้ฉ้อインチキの 不正の

ขี้+บ่น〈บ่น=ぼやく 愚痴をこぼす〉→ ขี้บ่น小言の多い 愚痴っぽい

ขี้+ประจบ〈ประจบ=機嫌をとる〉→ ขี้ประจบご機嫌とりの

ขี้+เมา〈เมา=酔う〉 → ขี้เมา酔っ払い

ขี้+โม้〈โม้=ほらをふく〉→ ขี้โม้ほらふきの

ขี้+โมโห〈โมโห=怒る〉 → ขี้โมโห怒りっぽい

ขี้+ร้องไห้〈ร้องไห้=泣く〉→ ขี้ร้องไห้泣き虫の

ขี้+โรค〈โรค=病気〉→ ขี้โรค病気がちな

ขี้+ลืม〈ลืม=忘れる〉 → ขี้ลืม忘れっぽい

ขี้+หนาว〈หนาว=寒い〉 → ขี้หนาว寒がりの

ขี้+หึง〈หึง=嫉妬する やきもちをやく〉 → ขี้หึงやきもちやきの

ขี้+เหนียว〈เหนียว=粘っこい〉 → ขี้เหนียวケチな けちん坊

ขี้+เหล้า〈เหล้า=酒〉 → ขี้เหล้า呑べえの

ขี้+เล่น〈เล่น=遊ぶ たわむれる〉  → ขี้เล่น遊び好きの

ขี้+สงสัย〈สงสัย=疑う〉 → ขี้สงสัย疑り深い

ขี้+สงสาร〈สงสาร=あわれむ〉→ ขี้สงสารあわれみ深い 涙もろい

ขี้+อาย〈อาย=恥じる 恥ずかしがる〉 → ขี้อาย恥ずかしがりの

ขี้+อิจฉา〈อิจฉา=ねたむ 嫉妬する〉 → ขี้อิจฉา嫉妬深い

おもしろいのは、けちん坊を表す「ขี้เหนียว」でしょう。

日本人的な感覚では、「粘っこい」と「ケチ」とは結びつきがよくわかりません。

「เหนียว」の本来の意味は①「粘った」「粘り気のある」あるいは②「強靭な」「弾力のある」です。(「タイ語辞典」松山納・大学書林)

しかし、この「เหนียว」のニュアンスは、もっと多様な幅広い意味を含んでいたのです。

岡滋訓先生は、タイ日辞典の中で、以下のように詳しく解説しています。

1 お餅を引っ張ったときのような粘っこい様

2 粘度が高くかき混ぜにくい様

3 肉がなかなか嚙み切れない様

4 体が汗でねばねば、ヌルヌルしている様

5 交渉事などで、なかなか譲らない様

6 殴られても殴られても参らない様

なるほどなるほど…

このようにして考えると、「ขี้เหนียว」が、なかなかのしぶとい「けちん坊」のイメージとリンクしてきます。

 

 

★なお僕自身がただいま勉強中です。

誤字脱字などがありましたら、ご連絡いただければ幸いです。

 


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