「ไม่เป็นไร(気にしない)」の文化 その1

ไม่เป็นไร マイペンライという言葉があります。
「大丈夫」とか「(お詫びに対して)どういたしまして」といった訳語になるのですが、「気にしない」「問題ない」という意味合いも含む幅広い意味を持つ言葉なのです。
その奥の深さを実感した一件がありました。
北部のメーホンソーン県(จังหวัดแม่ฮ่องสอน)に行ったときの失敗談です。

*  *  *  *  *  *

メーホンソーン県のパーイ郡(อำเภอปาย)。

ここは北タイの田舎街だった。

その小さな街を有名にしたのは、ある恋愛物の映画だという。

小さな静かな街が、映画のロケ地になったのをきっかけに、多くの観光客が訪れるようになったという。

バンコクのような大都会から来れば、そこはいかにも小さな集落に見えるだろう。

しかしそこには、どこか素朴な感がある。

ノスタルジックな感覚というか、過ぎ去ったかつての思い出のような感覚というか…

祭りの日なのか、夜市には人々が溢れていた。

昭和の頃の日本を彷彿とさせる雰囲気だった。

夜市を見て回った後に、安い食堂に入った。

宿に戻ってもすぐに部屋に入らず、外に置いてあるイスに腰掛けて、家族と雑談に興じていた。

部屋に戻ろうとしたときに気がついた。

部屋のキーがなかった。

こんな田舎街の小さなペンションでも、ドアはオートロックになっていた。

キーを持たずに外に出ると、途端に閉め出しを食らう。

今回の件も慌てて出かけて、キーを部屋に置き忘れたのだろう。

そう思い込んでいた。

遅くなって申し訳なかったが仕方ない。

従業員に開けてもらうしかない。

宿の従業員にドアの鍵を開けてもらった。

夜も遅くなった時間だったので、フロント係の女性は、既にホテルから出て、隣の建物にいた。

家族経営のペンションのようなもので、隣の建物にある自室に戻ったということなのだろう。

部屋に入ることはできたのだが、部屋の中にキーは残されていなかった。

鏡台やサイドテーブル、ベッドの下など、思いつく限り探し回ったが、見つけ出すことができなかった。

出かけたときにキーを外に落としてきたのだろうか。

次第に不安になってきた。

よく寝つけないまま朝を迎えた。

 

「ไม่เป็นไร’(気にしない)」の文化について その2

https://ponce07.com/mai-pen-rai-02/

 

 


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