絵馬の起源

春になりました。
間もなく桜が満開になることと思います。
冒頭の写真は、ある神社で3月20日に撮影したものです。
まだ桜は咲き始めといった感じでした。
神社の境内で目につくのは、絵馬の奉納です。
この神社でも、このようにたくさんの絵馬が奉納されています。
絵馬は、なにかを祈願するときに、神社に奉納するものです。
その多くは絵が描かれた木の板です。
そこには、たくさんの人の願いが記されているのです。

古代、神様は神馬(しんめ)という馬に乗って人間世界にやってくると考えられていました。
そこで、神社では古くから馬を奉納する習わしがありました。
歴代の天皇は祈願の際に、生きた馬を神馬(しんめ)として神社に奉納していました。
水の神様をまつる京都の貴船神社では、雨ごいの祈願のときには黒い馬を、晴れの祈願のときには灰色または赤毛の馬、といったように目的によって異なる毛色の馬が献上されました。
しかし、実際に馬の飼育をするのは、手間がかかるうえに経済的な負担も大きかったので、本物の馬の代わりに、土で作った馬形(うまがた)や、木で作った板立馬(いただてうま)が奉納されるようになりました。
その後この板立馬が、馬を描いた小さな板となり、これが奉納されるようになりました。
これが「絵馬」の始まりです。
時代が進むにつれて、馬に限らずいろいろな縁起の良い画題が描かれるようになりましたが、「絵馬」という呼び名はそのまま残りました。
江戸時代には家内安全や商売繁盛といった身近なお願い事を書く風習が庶民にも広がりました。
すると最初から絵が描かれた小さな絵馬を購入して、これに願い事を書いて神社に奉納するいまのスタイルが確立しました。

僕の住む九州では、福岡県太宰府市の太宰府天満宮が有名です。

https://www.dazaifutenmangu.or.jp/ 太宰府天満宮
https://www.dazaifutenmangu.or.jp/th/ 太宰府天満宮(タイ語版ภาษาไทย)

学問の神として知られる菅原道真公を祀った神社で、受験生が奉納した合格祈願の絵馬がいっぱいあります。
またこの神社の絵馬は、縁起物やお守りとしてもたいへん人気があります。
この絵馬を奉納する習慣が広く外国にも知れ渡ったのでしょう。
最近ではタイ文字で書かれた絵馬も見られるようになりました。



間もなく新年度を迎えます。
四月から進学や就職で、新たな一歩を踏み出すフレッシュマンも多いことと思います。
彼らが希望を持って、新しい社会で大いに活躍できることを心より祈願いたします。

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