疲れたとき。壁にぶつかったとき。
決まって読み返す本があります。
石川米雄先生の「道は、ひらける」という本です。
先生は神田外語大学の学長であったかたで、専門は東南アジア史。
特にタイ研究の分野では第一人者というかたです。
また言語学者でもあり、タイ語のほか英語やドイツ語、カンボジア語、ビルマ語など多くの言語を研究したことでも知られています。
一部を引用します。
「私は語学学習の秘訣を聞かれると必ずこう言うことにしている。外国語を習得する秘訣は個人の能力の優劣ではなく、かかって動機付けの強弱にある。」
「動機付けが弱いと、いつしか学習を継続することが困難となり、最後にはやめてしまう。動機付けの更に背後には必要性の自覚がある。」
「私は言葉と覚えるには、ざるで水を汲む覚悟がいる、と考えている。二度三度と辞書を引いて、俺はなんて頭が悪いんだなどと考えるのは甘えである。人間の脳はコンピュータのようにはいかない。エンター・キーを一度押せば、金輪際記憶の消えないフロッピーディスクとはとはわけが違うのだ。ざるだって水を汲める。ただ桶なら一回ですむ水汲みは100回必要になるかもしれない。でも単語を覚えたいという強い動機付けさえあれば、頭が悪いなどと言ってはいられない。どうしても覚えなければならないからだ。」
著名な学者でありながら、人間味のある言葉だと思います。
自分の甘さがわかります。