2024年7月にタイ政府は、旅行を通じた経済活性化を目的として、新たなビザ施策を発表しました。
主なものとしてはビザなしでの滞在期間の延長です。
タイは、これまで観光目的でのビザなしでの滞在は30日以内となっていましたが、これが60日以内に変更されました。
申請により、さらに30日間の延長も可能です。
対象国には日本を含む多くのアジア諸国のほか、欧州諸国、北米、南米などが含まれています。
タイ好きの旅行者にとっては、これは朗報と言えるでしょう。
さらに注目したいのは、デジタルノマド向けビザ(DTV)の新設です。
タイ政府は新たに、リモートワーカー、デジタルノマド、フリーランサーなどを対象としたデジタルノマド向けビザ(DTV)を創設しました。
ムエタイ、料理教室、スポーツトレーニング、医療、セミナー、音楽祭への参加者なども対象となります。
DTV取得者は、500,000バーツ以上の資金を証明する必要があり、ビザ申請料は10,000バーツです。
DTV保持者は、通算180日までの5年間の複数回入国が可能となっています。
詳細はこちらに(在福岡タイ王国総領事館)。
新設されたビザなので、まだ取得した人の体験談は聞くことができませんでしたが、この制度は長期滞在が可能なビザとしては、かなり強力なものと言えるでしょう。
このビザが新設された背景には、やはりリモートワークの普及と人々の働き方に対する意識の変化があるものと思われます。
新型コロナウイルス感染症の発生により、人々の働き方は大きく変化しました。
外出制限や行動規制が導入される中で、リモートワークが急速に普及して、従来のオフィス勤務が持つ制約から解放されました。
リモートワークの普及により、従業員は住む場所をより自由に選択できるようになりました。
これまでは通勤の便を考慮して都市部に住むことが一般的でしたが、リモートワークが可能になると、通勤を前提としない生活スタイルが可能となります。
この結果、都市部から地方への移住が増加し、地方での生活がより魅力的な選択肢として浮上してきています。
さらには、国内だけでなく国外からの業務遂行も可能にしました。
その結果、働き方にとらわれず、自分のライフスタイルに合った場所に移住する人が増えると考えられます。
特に、都市部の高コストやストレスフルな環境から解放され、より生活コストが低く、自然環境に恵まれた国や地域に移住するケースが増えるでしょう。
一部の国や地域では、リモートワーカーを積極的に受け入れるためのビザ制度や税制優遇措置が導入されています。
これにより国外からの移住が促進されています。
こうした取り組みが進むことで、リモートワークを行うために国境を越えて移住する人々が増加し、国際的な移住の流れが加速することが考えられます。
リモートワークの普及は、場所に縛られない働き方を求める「デジタルノマド」を増加させています。
デジタルノマドとは、インターネットを介して仕事を行い、特定の場所に定住せずに世界各地を移動しながら働く人々のことを指します。
リモートワークが可能になることで、このような働き方を選ぶ人々が増え、デジタルノマドのライフスタイルが広がりつつあります。
今後、デジタルノマド向けのインフラやサービスがさらに充実していくでしょう。
特に、デジタルノマドが滞在する地域では、コワーキングスペースや高速インターネット回線の整備が進み、仕事と旅行を両立させる環境が整備されると考えられます。
タイでは、チェンマイがデジタルノマドの集まる街として有名です。
タイは欧米諸国や日本人にとって物価の安い国ですが、チェンマイは大都市バンコクと比べて、さらに物価が安いです。
ホテルやゲストハウスなども安く泊まることができます。
滞在コストを抑えるためには、長期であればコンドミニアムなどの部屋を借りる選択肢もあります。
チェンマイには、パソコン作業には欠かせないフリーWi-Fiや、電源が使えるカフェ、便利なコワーキングスペースが数多く存在します。
コワーキングスペースでは一日利用もできますが、会員制の店もあり、会員になればさらにリーズナブルな価格で長時間利用できるところもあるといいます。
カフェでは気軽にどこでも仕事ができますが、コワーキングスペースではオンライン会議や夜遅くまで仕事に集中でき、スタッフや利用者同士で顔見知りになれば情報交換も大い進みます。
また、チェンマイのようにコロナ禍以前からノマドワーカーが集まっていた街では、デジタルノマドのコミュニティが形成されることで、情報交換やネットワークができつつあります。ノマドワーカーたちが相互に支えあうシステムが構築されれば、見ず知らずの土地でも安心感が増すものでしょう。
リモートワークの普及は、国際的な働き方に革命をもたらしつつあります。
企業は地理的な制約を超えてグローバルな人材を活用し、従業員は自由に居住地を選びながら働くことが可能となりました。
国外移住の増加、デジタルノマドの台頭し、リモートワークは今後も進化し、より多様で持続可能な働き方が進んでいくことが予想されます。
今回のタイのデジタルノマド向けビザ(DTV)の新設は、働く場所や方法に対する概念が大きく変わっていくことを見越した政策で、これからも注視していきたいと思います。
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