高騰する国内の宿泊料の背景にあるもの

旅行の経費のうちで、大きなウエイトを占めるのは、ホテル代などの宿泊料です。
かといって、宿泊料を切り詰めすぎて、水準を下げてしまっては、旅の楽しみを損なってしまうことにもなりかねません。

今年は、コロナからの脱却で、国内外ともに旅行者の数が回復して、観光地にも人の姿が戻ってきました。
そんななかで、気になるのが日本国内の宿泊料の高騰です。
仕事柄、職員の出張旅費を計算することが多いのですが、ホテルなどの宿泊料が、以前と比べてかなり高くなっているというのが気にはなっていました。
感覚的には、コロナ禍以前と比べて、どこの都市も1.5倍ほどになっているように感じます。
特に東京都内の高さは際立っています。
旅行代理店の検索サイトのホームページで、東京都内の平日の一泊のホテル(素泊まり)の料金を検索してみると、シングルユースでは、少なくとも12,000円から15,000円くらいは見積もっておかないと厳しいと思われます。
ちなみに、東京都内への出張の場合、旅費として支給される宿泊料は、一般職員の場合は1泊あたり11,400円になります。
そう考えると、支給される旅費では足が出てしまうことになります。

先日、僕の家族が京都に遊びに行ったのですが、その宿泊料の高さに閉口していました。
ペンションのような簡素な学生向けのところに泊ったようですが、宿泊料は2人1部屋の素泊まりで一泊14,000円したそうです。
それでも、予約を入れるのはたいへんだったそうで、宿は満室だったとのこと。
紅葉シーズンでもあったことから、国内外からの観光客が大挙して京都に集まっているようです。
特に外国人観光客の姿が目立っていたようで、タイからの観光客も少なくなかったと言っていました。
コロナ明けの旅行需要復活に加えて、円安の効果も追い風になっているのかもしれません。

旅行代理店の検索サイトのホームページで、京都市内の週末の一泊の料金を検索してみても、1万円以下のホテルはまったく見当たりません。
ニュース報道によると、宿泊施設に価格算出システムを提供しているメトロエンジンという会社のデータによると、京都市のホテルの平均宿泊料は2人1部屋で7万3000円以上とか。
コロナ禍以前の2019年8月と比べ、1.9倍に跳ね上がっているそうです。

このように宿泊料が軒並み高騰している原因は、どこにあるのでしょうか。
旅行業界の分析では、次のような原因が考えられるとのことです。
まず、コロナ禍で廃業したり、客室を減らしたりしたホテルが相当数あって、供給できる客室数が大幅に減少してしまっていること。
また、ホテル業界の人手が不足していて、客室を100%埋めるだけの働き手を確保することが困難になっていて、需要に対応しきれていない状況があること。
さらに、日本を訪れる外国人の増加や、コロナ禍でなかなか旅行に出かけることのできなかった国内の旅行者の需要増加が重なったことなどが挙げられると言います。

廃業したホテルが復活することは考えにくいうえに、コロナ禍で職場を去ってしまったホテルの従業員が、コロナが明け後に再び職場に復帰することは簡単なことではありません。
コロナの影響が後々まで続いてしまっていることの現れでもあり、そう考えると残念でなりません。
今後も、当分の間は宿泊料の高止まりは続くと予想されます。

コロナ禍が明けて、観光需要が復活したことは歓迎すべきことです。
多くの外国人が、日本を観光し、日本の文化に触れる機会が増えてくれることは、たいへん喜ばしいことです。
しかし、このような宿泊料の高騰があっては、せっかくの旅の楽しみも半減してしまいます。
いち早く、宿泊施設の安定した供給確保と、適正な価格に戻ってくれることを願うばかりです。

旅行・観光ランキング
旅行・観光ランキング