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メコン(แม่โขง Mekhong) 製造法から味わいまで、タイの酒文化を探る

以前左党というタイトルで、タイ国内のビール事情について書きました。(https://ponce07.com/drunkard/
僕自身は、もっぱら「ビール党」で、普段は乾杯からラストまでビール一辺倒といったところです。
暑いタイでは、キンキンに冷えたビールを特に愛飲していたところです。
そんな僕がビール以外に好んで口にする数少ない酒が「メコン(แม่โขง Mekhong)」です。
タイを代表するこの地酒メコンをご存知でしょうか?
かつて秋篠宮殿下も好んで飲まれたと話題になったこのメコンは、観光客の間では「メコンウイスキー」と呼ばれことが多いのですか、実際にはウイスキーではなく、ラム酒に近いものになります。
主原料は95%のサトウキビと5%米で、蒸留後はタイのナチュラルハーブやスパイスで香りづけされます。
そして3年~8年オーク樽で熟成させることで、さらなる深みと豊かさが加わります。
アルコール度数は35度です。
その名を東南アジア最大の大河メコン川に由来するこの地酒は、タイを代表する蒸留酒になります。

メコンは、最大のアルコール飲料メーカーである「タイ・ビバレッジ」という会社が製造・販売しています。
メコンの歴史は古く、最初に製造されたのは1941年になります。
1914年、パトゥムタニー県にあった個人所有のスラバンイーカン蒸留所がタイ政府に譲渡され、財務省物品税局の監督下に置かれることになります。
その後、物品税局は蒸留酒の製造を拡大させます。
1941年に、ハーブと伝統的な薬用リキュールを組み合わせた、新たなアルコール度数35度の蒸留酒が製造されます。
この蒸留酒が開発された当時、タイ・フランス領インドシナ紛争が勃発し、フランスへの反抗闘争が起きます。
当時愛国的な歌詞をつけられた『カム・コン(ข้ามโขง:「メコンを渡って」)』にあやかって、時の政府は新たに生産された蒸留酒に「メコン」と名付けたと言われています。

さて実際に飲んでみた感想になりますが、独特な甘みがあり、口当たりはまろやかで飲みやすい印象です。
とはいえ度数は35度ありますので、ソーダ割にして飲むのがよろしいかと思います。
現地でも、氷をたっぷり入れてソーダ割にする、日本でいうところの「ハイボール」のようにして飲むのが人気だとか。
他にも、メコンを原料にしたさまざまなカクテルなどもあるようです。
甘口のメコンは、タイ料理などの辛くて味の濃い料理によく合います。

このメコン。かつては大衆的な地酒として、タイ国民に広く親しまれてきた歴史があるのですが、2013年にメーカーである「タイ・ビバレッジ」は、国内向けのメコンを、国外向けに方向転換させます。
パッケージは新しくなり、ロゴが英語表記になるなど刷新されましたが、大幅な値上げとなり、国民のメコン離れが加速します。
現在は、HONG TONG(ホントン)やแสงโสม(センソム)といった銘柄のスピリッツがメジャーです。
タイを訪れるかたは、タイ料理を味わいながら、こうした新しい銘柄のスピリッツを試してみたてはいかがでしょうか。
タイ料理とともに、タイの酒文化を探ってみるのも旅の楽しみのひとつでしょう。
ただし、ビールと違って度数は高いですので、飲みすぎにはくれぐれもご用心を!

 


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ponce

旅が好き。東南アジアが好き。タイが好き。海が好き。猫が好き。 難解なタイ語の勉強に挑戦してます(実用タイ語検定準2級)。 将来の夢は愛車(クロスバイク)でタイを縦断すること。 横須賀市出身。