前回はアユタヤ王朝の興亡の歴史について解説いたしました。
アユタヤはバンコクから日帰りでも訪れることのできる世界文化遺産の街です。
私も実際に鉄道で訪れ、自転車を借りて一日かけて遺跡群を巡りました。
今回は私自身の体験をもとに、アユタヤへの行き方と効率的な遺跡の巡り方をご紹介いたします。
アユタヤへの道
まずアユタヤの位置になりますが、タイ中部に位置しており、バンコクから北へ約70〜80kmの辺りにあります。
バンコクの北隣のパトゥムターニー県のさらに北隣の県になります。
■ロットゥー(乗り合いバン)で行く
手軽な行き方としては、ロットゥー(乗り合いバン)で行く方法があります。
現地の人も日常的に使う、エアコン付きの小型乗り合いバスです。
定員が埋まり次第出発するシステムで、チャトゥチャック公園近くのモーチット・ミニバスステーションから乗ることができます。
所要時間は概ね1時間から1時間30分かかり、運賃は片道 70バーツ程度となっています。
■鉄道(タイ国鉄)で行く
私のおすすめは何といっても鉄道(タイ国鉄)です。
ローカル感いっぱいで、しかも格安で行くことができます。
鉄道の起点はバンコク駅(フアランポーン駅)またはクルンテープアピワット駅になりますが、私はドンムアン駅から快速列車に乗りました。
距離は48.87キロで所要時間は50分でした。
運賃はなんと20バーツ。
車内に空調はなく、開け放った車窓からは、ぬるい風が吹き込んでくる昔ながらの列車でしたが、運賃の安さは驚きです。
■日本のキハ40がタイで活躍中
ちなみにこのドンムアン―アユタヤ間は、日本から贈られたキハ40が臨時列車で運行されていました。
今年4月からの運行は試験的なものでしたが、将来は定期的な観光列車が運行されるかもしれません。
キハ40がタイで活躍している記事の詳細は、こちらをご参照ください。(日本の名車キハ40系がタイで再デビュー KIHA40 จากญี่ปุ่น สู่ชีวิตใหม่ในไทย)
歴史公園の歩き方
駅の西5キロ四方に遺跡が点在しています。
歩いて回ることもできないわけではありませんが、強い日差しの中を歩くのはちょっとキツいですね。
かといってタクシーを使うほどの距離でもありません。
おすすめなのがレンタサイクルです。
市内のいたるところにレンタサイクル屋さんがあります。
自転車を使えば、歩くよりもずっと速く快適に移動することができます。
レンタル料金は一日60バーツと格安です。
レンタルするときは、デポジットを入れるか、もしくはパスポートを預けることが求められますので、その点はご承知おきください。
市内の道はほぼ平地なので、移動は苦になりません。
貸し出している自転車の多くは日本の中古車で、正直あまり乗り心地はよろしくはありませんが、炎天下の中を歩くことを考えたらずっと快適な移動になります。
自転車を使っての遺跡巡りが想定されているのでしょう。
各遺跡の前には、駐輪場が整備されています。
レンタルのときに渡されるチェーンキーを使って確実に施錠してください。
入場料について
遺跡を見学するためには各々の施設で入場料が必要です。
入場料は遺跡によって異なりますが、多くは80バーツ程度かかります。
いくつか見て回るなら、主要な遺跡を見て回ることのできる「共通チケット」がおすすめです。
こちらは300バーツで、主要な遺跡を見て回ることができます。
なお入場料は、タイ人価格と外国人価格には「格差」があります。
外国人は少々割高な料金設定になっているようです。
広大な歴史公園を維持管理していくためには、それなりの経費がかかります。
美しい世界文化遺産の維持のために、観光客のみなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
アユタヤ歴史公園の代表的な遺跡
アユタヤ歴史公園には数多くの遺跡がありますが、その中でも特に有名で、多くの観光客が訪れる代表的な遺跡は次のとおりです。
おすすめのモデルコースとともに、各遺跡の特徴をお伝えいたします。
① ワット・マハータート
↓ 約300m 徒歩約4分
② ワット・ラーチャブーラナ
↓ 約1.2km 徒歩約16分 自転車約6分
③ ワット・プラ・シーサンペット
↓ 約1.6km 徒歩約22分 自転車約8分
④ ワット・ローカヤスタ
↓ 約2.5km 徒歩約35分 自転車約10~15分
⑤ ワット・チャイワッタナーラーム(夕景)
① ワット・マハータート(Wat Mahathat)
アユタヤを代表する遺跡といえば、まずここです。
もともとは王室ゆかりの重要な寺院として建立されました。
木の根に包まれた仏頭は、タイを代表する観光写真として世界的に知られています。
この仏頭はビルマ軍による破壊で地面に落ち、その後長い歳月をかけて菩提樹の根に包み込まれていったと伝えられています。
今では樹木と一体化したような神秘的な姿となり、訪れる人々の注目を集めています。
また境内には頭部を失った仏像が数多く並び、1767年のアユタヤ陥落の悲劇を強く感じられる場所でもあります。
私が最も印象に残った遺跡のひとつです。
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② ワット・ラーチャブーラナ(Wat Ratchaburana)
精巧な装飾が残る美しい遺跡です。
1424年に建てられた寺院で、中央のプラーン(仏塔)はアユタヤを代表する建築物の一つで、その建築美から歴史的価値が高いといわれています。
地下の宝物庫からは王室ゆかりの貴重な財宝も発見されました。
急な階段ですが仏塔に上がり、周囲を見渡すことができます。
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③ ワット・プラ・シーサンペット(Wat Phra Si Sanphet)
アユタヤ王宮の敷地内に建てられた王室専用寺院で、タイで最も重要な歴史的寺院のひとつと言われています。
3基の美しい仏塔(チェディ)が並ぶ姿はアユタヤを象徴する景観のひとつです。
仏塔には歴代の王やその家族の遺骨が納められており、現在のバンコクにあるワット・プラケオ(エメラルド寺院)のモデルになったともいわれています。
広大な敷地の中には崩れかけのレンガの壁面や空に向かってそびえる仏塔が並び、アユタヤ王朝時代の繁栄を彷彿とさせる遺跡です。
1492年以降に王族のための仏塔が建立されました。
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④ ワット・ローカヤスタ(Wat Lokayasutharam)
巨大な寝釈迦仏で知られる寺院です。
初めて目の前に立った時、その大きさに圧倒されました。
写真で見るよりもはるかに大きく感じられます。
全長約40メートルにも及ぶ巨大な涅槃仏が横たわる姿は非常に印象的です。
寺院はアユタヤ王朝の時代に建立されていますが、ビルマ軍の侵攻で破壊されました。
その後、寝仏は修復され、現在も多くの参拝者が訪れる聖地となっています。
アユタヤ観光では必ず立ち寄る人も多い人気スポットです。
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⑤ ワット・チャイワッタナーラーム(Wat Chaiwatthanaram)
チャオプラヤー川沿いに建つ壮麗な寺院遺跡です。
1630年にプラサートトーン王によって建立されました。
カンボジアのアンコール・ワットに似た「クメール様式」で建てられているのが特徴で、中央の高い塔を囲むように小塔が配置され、アユタヤ遺跡群の中では最も美しいとされています。
映画やドラマのロケ地としてもたびたび登場する人気の遺跡です。
特に夕日に照らされた塔群の姿は、息をのむ美しさで、まるで時代を超えてアユタヤ王朝がよみがえったかのようでした。
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遺跡巡りをするうえで、気をつけていただきたい点について、いくつかお伝えいたします。
■強い日差しと暑さ対策は十分に!
私が訪れた日は、快晴でした。
どの遺跡にも強い日差しを遮るものはほとんどありません。
照り付ける日差しから身体を守るために日傘は必携です。
飲料水も事前に買っておいたほうがいいかと思います。
レンタルの自転車はほとんどがいわゆる「ママチャリ」です。
多くは前方にカゴがついているので、日傘や小さいバック、飲料水のペットボトルなどがあっても、移動に支障はありません。
■どこで自転車を借りる?
市内には多くのレンタサイクル屋さんがありますが、借りるお店はアユタヤ駅近くよりも、川の西側にあるお店で借りるのが賢明かもしれません。
というのもアユタヤ駅から遺跡公園の間には大きな河(パーサック川)が南北に流れていて、この川を渡るためには駅の南側にある橋を渡らないといけません。
ゆっくりと市内の散策をしたいかたは差し支えないかもしれませんが、これが少し遠回りの迂回路になります。
駅の西側に少し歩いてから渡し船に乗って、対岸にあるレンタサイクル屋さんで借りるほうが、効率的に遺跡巡りができることと思います。
■渡し舟はここから
国鉄アユタヤ駅を出てすぐ前の道路を渡り、さらに西方向に2分ほど歩くと渡し舟の桟橋が見えてきます(アユタヤ鉄道駅桟橋ท่าเทียบเรือสถานีรถไฟอยุธยา)。
時刻表のようなものはなく、小型の船が往復しています。
静かな川べりの航行は、あっという間ですが、こうした船に乗るとアユタヤの街が昔から大河とともに生きてきた街であると実感できることでしょう。
渡し舟の運賃は片道10バーツでした。
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■大きな「落とし物」にご用心を!
アユタヤの街では、象乗り体験もできます。
この辺りはタイならではの風景かもしれません。
象の背中に揺られながら、歴史的な遺跡群を眺め散策することができ、その様子はいかにも優雅です。
が、しかし…象は身体が巨大なだけに「出すモノ」も巨大!
道路の端には所々に象がひり出した「落とし物」が散見されます。
自転車で移動するときはもちろん、歩道を歩く際も足元には十分注意してください。
いかがでしたか。
今回は世界文化遺産の街 アユタヤの歩き方を紹介いたしました。
工夫次第ではツアーに頼らず、自分のペースで自由に回れ、しかも圧倒的にリーズナブルに街歩きを満喫することができます。
前回の記事ではアユタヤ王朝の興亡の歴史をご紹介しました。
実際に遺跡を歩くと、その歴史が決して教科書の中だけの話ではないことを実感できます。
ワット・マハータートの仏頭やワット・プラ・シーサンペットの三基の仏塔を前にすると、前回ご紹介したアユタヤ王朝の歴史がより身近に感じられることでしょう。
遺跡群を巡る一日は、まるで歴史の教科書の中を自転車で旅するような時間でした。
タイを訪れた際には、ぜひアユタヤの街を訪れ、417年にわたる王朝の歴史に思いを馳せてみてください。