日本国内のコメ価格の高騰が止まらない勢いです。
コメ価格の高騰については、昨年の6月にも話題として取り上げました(「いただきます」の意味とは…平成の米騒動から得た教訓「美しいココロ」)。
その時は「5kgで2000円にも迫る勢い」という新聞記事を引用させていただきましたが、いまとなってはさらに倍増しています。
近所のスーパーでは、5kg当たり4000円程度で販売されている有様です。
いままでにない水準の価格帯といっても過言ではありません。
ここに至っては、高い関税をかけられている外国産のコメとほとんど変わらない価格帯になっていると言えます。(コメの関税の高さに関しては、「身近になったアジアンテイストの背景に」のコラムで触れています)
高騰の原因としては、日照不足や猛暑といった天候不順、あるいは外食などの需要が大きく伸びたことなどによるものと言われていましたが、どうもそれだけでは説明がつかないようです。
一部の業者などによる買い占めや売り惜しみなどといった「圧力」が疑われています。
この高騰を回避するために、政府は凶作や大災害などの非常事態のために備蓄している政府備蓄米の一部を、市場に流通させる政策を始めています。
政府備蓄米の開放が、今後のコメの市場価格にどう影響するのかはまったくの未知数です。
「焼け石に水」で、コメ価格の高騰がさらに長期化する懸念を指摘する声もあります。
コメはいうまでもなく日本の主食であり、私たちの「食文化」を支えるもっとも重要な要素と言えます。
そのコメを安定して購入できるよう、政府には最善の措置を講じてほしいと願うばかりです。
さて今日は元バックパッカーの僕から、コメについての2つの私見を言わせていただきたいと思います。
様々な意見はあろうかと思いますが、アジアの旅と食を愛してやまない旅行者からの提言として、お聞きいただければと思います。
日本国内にいても他国の食文化が気軽に楽しめる環境になっていくべき
近年、日本では外国人観光客や定住する外国人の数が増え、それに伴ってさまざまな国の料理を提供する飲食店が増えてきています。
いまや東京などの大都市のみではなく、地方都市にあってもさまざまな外国料理を提供する飲食店が増えています。
また、海外旅行を経験した日本人が増えるにつれて、外国の料理を楽しむ人も多くなっています。
さらに、スーパーやディスカウントストアなどの小売店でも、世界各国の食材が手に入るようになり、日本にいながら本場の味を再現できる環境が整いつつあります。
こうした流れの中で、外国産のコメも売られるようになってきました。
タイやインド、アメリカなどを原産地とするコメが売られているのを目にするようになりました。
外国の料理を作るうえで必要なのは、外国の食材です。
例えば、タイ料理を作る際には、タイ産の調味料や食材を使うのが最も適しています。
そして、コメも例外ではありません。
タイ料理には、日本のコメよりも、粒が長くてパラパラとした食感のタイ産のコメが最も向いています。
いまの日本では国内の農家を守るために、外国産のコメの輸入を厳しく制限し、高い関税をかけています。
たしかに、日本国内で安定してコメを生産するためには、農家を保護し、あるいは育成していくは大切なことです。
そのため、外国産の農産物の輸入をある程度制限することは、必要な政策の一つでしょう。
しかし、今のように多様な食文化を楽しめる時代になっても、日本産のコメばかりが市場に流通しているのは合理的ではありません。
日本産のコメと外国産のコメは、見た目や味が大きく異なり、市場で必ずしも競合するわけではありません。
日本のコメは粘り気があり、寿司やおにぎりに向いていますが、タイ米のようなパラパラとした淡白な味わいのコメは炒飯やカレーに最適です。
そのため、用途に応じて選べる環境が整うことが望ましいのです。
日本国内で、より気軽に世界各国の食文化を楽しめるようにするために、現在の異常に高い関税を緩和し、外国産の農産物をもっと自由に購入できる環境を整えるべきです。
食の多様性を受け入れ、より豊かな食文化を築くことが、日本の未来にとって重要なことではないでしょうか。
日本の優れたコメの魅力を世界に発信していくべき
近年、日本を訪れる外国人観光客の多くが「日本食を楽しみたい」と考えています。
国土交通省観光庁の調査によれば、日本への渡航を希望する観光客に対して、訪日前に期待していたことを尋ねたところ、「日本食を食べること」が 83.2%と最も多かったという調査結果が出ています。
日本食は、料理の見た目が美しく、季節ごとに異なる食材を使い、また素材の味を大切にする特徴があります。
そのため、「和食(日本人の伝統的な食文化)」がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、日本食は世界的にも高い評価を受けています。
かつては、寿司や天ぷら、すき焼きといった高級な日本食ばかりが海外で注目されていました。
しかし、今ではおにぎりやお茶漬け、卵かけご飯といった、日本の素朴な家庭料理も外食として人気を集めるようになっています。
こうした料理の広がりの背景には、日本のおいしいコメの存在があります。
日本産のコメは、ほかのアジア産やアメリカ産のコメと比べて、粒が短く、アミロースの含有量が低い性質があることから、炊き上がりに粘り気のあるもちもちした食感が特徴です。
また、甘みや旨味が強く、炊飯後の粒のまとまりが良く、冷めてもおいしいことから、おにぎりや寿司に適しています。
一方、タイやベトナムのコメは細長く、アミロース含有量が多い性質があることから、パラパラとした食感が特徴で、炒飯やカレーによく合います。
こうした違いから、日本のコメは日本食に欠かせない存在となっています。
この優れた日本のコメを、もっと世界に広めるべきと考えます。
現在、日本のコメは一部の国に輸出されていますが、まだ多くの国にはあまり知られていません。
もし、日本のコメが広く輸出されれば、世界中で日本食の人気がさらに高まり、日本の農業も発展するでしょう。
これからの時代、日本のコメの魅力を発信し、世界中の人々に味わってもらうことが大切です。
そうすることで、日本の食文化の素晴らしさを伝え、日本の農業を支えることにもつながると考えます。